華道家元池坊華道会ブラジル支部(河村徳子支部長)が9、10の両日、サンパウロ市のレストラン・新鳥で『新春初生け』を行った。
会場には新春らしい晴れやかな40作品が並び、2日間で延べ約270人が来場した。河村支部長は多くの来場者を迎えられたことに喜びと感謝を述べ、「今年は初心に帰って池坊の精神を一層追求し、日本文化の普及に励みたいです」と抱負を語った。
初日夜に行われた開式セレモニーには、ブラジルいけ花協会のエリソン・トンプソン・デ・リマ会長、野村アウレリオサンパウロ市議、在聖日本国総領事館の中山雄亮副領事、国際交流基金サンパウロ日本文化センターの深沢陽所長、元文協会長の上原幸啓氏らが出席。
挨拶に立った中山副領事は「今年は日伯外交開始120周年、領事館開設100周年と大事な年。その始まりをこうした素晴らしい花展で始められた事を光栄に思います」と述べ、同支部の日本文化普及に対する貢献に感謝した。
来賓挨拶の後は、池坊の篠又幸市郎名誉顧問による乾杯の発声で和やかに会食が行われた。今年で新春初生け4回目の出品という桜井喜美枝エリーザさん(72、二世)は、「新年らしい元気で朗らかな作品ができました」と笑顔で語った。
友人の誘いで初めて生け花を見に来たというジュリアナ・ベッキさん(56)は、「シンプルで美しいものを作ることは難しい。日本文化の奥深さを感じる」と感心した様子で作品を鑑賞していた。