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ブラジル人国外で初の死刑執行か=ジ大統領寛大な処分を請願

 インドネシア政府が14日、ブラジル人男性マルコ・アルシェル・カルドーゾ・モレイラ被告(53)の死刑を17日夜に執行すると発表した。
 モレイラ被告は2003年、13・4キロのコカインをハングライダーの組み立て管の中に隠してインドネシアに持ち込もうとした疑いで逮捕され、翌2014年に有罪判決を受けた。
 ブラジル人が国外で処刑されるのは初めてで、処刑の方法は銃殺と見られる。
 ブラジル政府からモレイラ被告を弁護するよう雇われた現地の弁護士、ウトモ・カリン氏によると、モレイラ被告は銃殺刑執行の日まで隔離される。
 モレイラ被告の親族の女性は、被告に面会するため、予定を早めて14日にインドネシアに出発した。ブラジルでも被告の友人が被告を銃殺刑から救おうと活動している。
 被告の両親は既に亡くなっている。被告は独身で子供もいない。
 カリム弁護士は、もはやジウマ大統領からウィドド大統領への直接の介入のみが、刑の執行を遅らせうるとの見方を示した。
 ジウマ大統領は9日、大統領府外交顧問のマルコ・アウレリオ・ガルシア氏を通じて在伯インドネシア大使にインドネシアのウィドド大統領との電話会談を申し入れたが、14日までに返答は無く、大統領同士の会談も実現していない。
 同大統領は昨年10月に大統領に就任し、前任者とは反対に、薬物密売に対し、厳しい態度を示している。
 同大統領は薬物密売は国の将来を蝕むと主張しており、インドネシア国民は同大統領を支持している。同国民の多くは死刑にも賛成しており、ブラジル政府筋の見立ては悲観的である。
 インドネシアには現在64人の死刑囚がいる。2001年以来27人の刑が執行されたが、麻薬密売者の死刑は7件のみだ。最後の銃殺刑は2013年に執行された。