ジウマ政権は19日、今後の増税計画についての発表を行った。かねてから噂されていた燃料の値上げに加え、化粧品の増税や金融税アップなどの対策で、連邦政府は206億レアルの増収を見込んでいる。20日付伯字紙が報じている。
発表は19日夕方、ジョアキン・レヴィ財務相が行った。同財務相は先週既に増税をほのめかしており、「悪意に満ち満ちているわけではない」とも釈明したが、それが具体的に発表されたことになる。
今回の増税計画のひとつは、燃料への経済支配介入納付金(Cide)の課税、つまり燃料代の値上げだ。Cideはルーラ政権時代にガソリンやディーゼルなどに課されていたが、インフレ対策として引き下げが進み、2012年には実質ゼロになっていた。
今回復活するCideは、ガソリン1リットルにつき0・22レアル、ディーゼルには同0・15レアルを課す。2008年のCideは、ガソリン0・28レアル、ディーゼル0・07レアルだった。政府はこれで年間121億8千万レアルの増収を見込んでいる。
さらに、化粧品に対する工業製品税(IPI)の値上げも行う。IPIは製造業者には既に課せられているが、今後は卸業者にも課税される。連邦国税局のジョルジュ・ラシド局長は「卸業者は商品購入時にIPIの恩恵を得、小売業者へ販売する時点でIPIを徴収される」と語った。この化粧品増税で今年は3億8100万レアルの増収が見込まれている。
政府は輸入品に対するPIS(社会統合基金)とCofins(保険融資納付金)の税率も引き上げる。輸入業者が6月以降に支払う額は、現在の9・25%から11・75%に上がる。この率は商品サービス流通税(ICMS)を差し引く前の金額に適用される。レヴィ氏によると、これは「国内製品を外国製品から保護するため」の対策で、6月から12月の増収見込み額は6億9400万レアルだ。
また、金融取引税(IOF)の利率引き上げも発表された。これにより、個人向け融資に対する課税率は従来の1・5%から3%と2倍になる。また、融資1件当たり、0・38%が付帯的に課税される。これは20日から有効となった。政府はこれで、今回の増税措置では2番目に高額の73億8千万レアルの徴収を見込む。
この四つの増税による政府の増収は総計206億レアルとなる。
また、この増税に加え、中央銀行の経済基本金利(Selic)は今日にも0・5%ポイント増の12・25%に上がる予定だ。
国内総生産(GDP)が低成長の中、一般消費を抑制する方向の政策は産業界からの反感も予想されるが、レヴィ財務相は「これらの政策は財政収支を安定させるためのもので、ブラジルの経済的信用を取り戻すために不可欠だ」と強調した。