2014年はドルが12・8%も高くなり、チョコレートの原料のカカオの国際価格も上がったが、チョコレート製造各社は、パスコア(イースター)に付き物のオーヴォ・デ・パスコアの値段をインフレ率程度の調整に抑え、昨年並みの業績を上げる意向だ。
ネスレでは、400グラムのKit Katの卵や、キャラクターの顔を真似たコップ付のスター・ウォーズの卵や、縄跳び用の縄付のトイ・ストーリーの卵などの子供用の製品など、大きさやパッケージの違う新製品の発売を重視。その一方で、Loloなど、数種の商品の製造、販売を停止する方針だ。同社では、経費削減などの工夫によって原料価格の値上がり分を消費者価格に転嫁するのを回避し、値上げ幅を最大10%に抑える意向だ。
Garotoも、子供用の製品を開発し、おまけをつけるなどの工夫を凝らしているが、値上げ幅は8%程度に抑えるという。
こういった傾向は、国内でのチョコレートの生産が2014年1~9月は前年同期より2%減ったという重たい現実を受けたものだ。同業界の関係者は、リセッションも起き、実質成長ゼロという現状では、14年の実績を維持できれば上等との見方が強い。
子供向けの商品を充実させ、新しい味や包装にこだわる戦略はカカウ・ショーも同様だ。ラ・クレメと呼ばれるラインの製品は、小型でよりクリーミーなチョコの卵を小物入れとしても使える容器に入れて売り出す。全体の価格は7%程度の調整となる見込みだ。
コペンハーゲンは、レモン味のメレンゲや赤い色の果物のチーズケーキといったクリーミーな詰め物をし、さじで食べる卵も開発。パンドラ社製の銀の腕輪も付く1キロのスウィート・トレジャーのような高級志向の商品のほか、レモンとピスタチオを使い、ミルクチョコにラム入りクッキーとヘーゼルナッツ、サクランボも取り入れた卵もあるという。
ネスレはパスコアを過ぎても店頭に売れ残りの商品が並ぶという事態を避けるために生産量を落とす意向だが、カカウ・ショーは逆に、昨年比17%増の商品を提供するつもりだ。同社は昨年24億レアルを売り上げており、全国の店の数を4月までに1800店舗、年末までには2000店舗にと意気込んでいる。
コペンハーゲンとショコラテス・ブラジル・カカウの2銘柄を持つCRMでは、今年のパスコアは昨年より20%の売り上げ増が目標だ。昨年のパスコアは10億レアルを売り上げた同社では、パスコアの売り上げが年間の売り上げの30%を占める。同社の商品も8%程度の調整となる見込みだ。また、カカウ・ショーとの競合を目指して立てあげたショコラテス・ブラジル・カカウは、今年中に700店舗達成を目指している。
パスコアの卵全体としては7~8%程度の値上げと見られる2015年。各社の創意工夫で開発される商品は、消費者の目と舌を楽しませてくれそうだ。(21日付エスタード紙ならびにG1サイトより)