1月25日は、サンパウロの市制461周年の記念日だ。毎年この日は市が主催する記念コンサートが行われるが、今年は大掛かりな、ロック、ポップス系のコンサートが2日間かけて開催される。
例年、この日は祝日となるサンパウロだが、今年は日曜と重なった。日本と異なり、振り替え休日はないため、24、25の土日でサンパウロの誕生日を祝おう、ということになったのか、今年のコンサートは例年になく豪華だ。
通年なら1日だけのプログラムのため、目玉アーティスト1組が恒例だったが、今年はサンパウロの東部、西部、北部、南部、そして中央部の5カ所にステージを設けて開催される。それぞれの入場料は無料だ。
コンサートは両日とも昼過ぎから夜遅くまで行われるが、やはり気になるのは後半を飾る目玉アーティスト。それぞれの注目株を見てみよう。
リニア・リオ・ヴェルデ公園に設ける東部ステージの目玉は、24日のトリ(20時)をつとめるピーチィ。ブラジルのロック界ではこの10年間、トップの座に君臨し続けるパワフルな「女王」だ。
西部ラルゴ・ダ・バタタのステージで注目されるのは、24日19時30分出演のアリッセ・カイミ、25日のトリ(19時)のナッソン・ズンビだ。アリッセはブラジル伝説のサンバ歌手ドリヴァル・カイミの孫娘だが、祖父のイメージと対照的な前衛的イメージで脚光を浴び始めている。年齢もまだ24歳と期待の若手だ。また、ナッソン・ズンビは、今はなき伝説の歌手、シコ・サイエンスと共に刺激的なダンス・ビート「マンギビート」の先駆者として知られている。
南部パルケ・ダス・アルヴォレスのステージの注目はベテラン・ロックバンドのイラ!。1980年代のブラジリアン・ロックの全盛時を支えた重要バンドのひとつで、昨年、長い沈黙を破って再結成し、話題を呼んだ。出演は24日のトリ(21時)だ。
北部サンターナ地区のステージは若手バンド中心で大きな目玉はないが、カリーナ・ブーア、ヴィヴェンド・ド・オシオなどの注目株も少なくない。
今回のメイン会場である中央部チエテ・スポーツセンターの会場で25日16時から行われるのは、大ベテラン、ジョルジュ・ベンジョールのコンサートだ。
古くからのブラジル音楽ファンには「ジョルジュ・ベン」の名の方が通りがいい彼は、60年代、世界的にヒットした「マシュ・ケ・ナダ」のオリジナル歌手として知られ、その後も、サンバを黒人のソウル・ミュージックやロックと融合する斬新なスタイルで世界中から注目を集めた大御所だ。ブラジル音楽の歴史の生き証人とも言える彼のパフォーマンスを、この機会に見ておきたいところだ。(20日付G1サイトなどより)