連邦警察のラヴァ・ジャット作戦で摘発され、ペトロブラス(PB)を巡る大型汚職「ペトロロン」に絡んだ疑いで上層部が逮捕された大手の建設会社3社が、メンサロン事件の主犯として有罪判決を受けた元官房長官のジョゼ・ジルセウ氏(労働者党・PT)に約400万レアルを支払っていたことが判明した。その一方、ラヴァ・ジャット作戦で逮捕された別の企業の大物が「ペトロロンでの賄賂は議会でのPT政権支持を強化するためのものだった」と語っていたことが明らかとなった。23日付伯字紙が報じている。
22日放送のグローボ局のニュース番組「JN」は、パラナ州連邦地裁が、ジルセウ氏と同氏の兄弟のルイス・エドゥアルド氏が共同経営する「JDコンスウトリア」の口座の情報公開を行ったことを報じた。
それによると、同社は09~13年に、建設大手のUTC、ガルヴォン・エンジェニャリア、OASからそれぞれ227万6千、72万5千、72万の合計376万1千レアルを受け取っていた。この3社は、会長や部長などの役職クラスが昨年11月のラヴァ・ジャット作戦第7弾で逮捕されている。
支払いの時期は、UTCが12~13年、ガルヴォンが09年7月~11年12月、OASが10年1月~11年12月となっている。この間のジルセウ氏は既にメンサロン事件で告発を受けており、何の役職にもついていなかった。
パラナ州連邦地裁のガブリエラ・ハルト判事によると、情報公開は「ジルセウ氏らがペトロロンに関与していないかなどを調べる必要があったため」だ。現時点ではUTCのみが「スペインとペルーでのインフラに関する事業探査の報酬」との文書を出している。
一方、昨年11月に逮捕されたエンジェヴィクス・エンジェニャリア副社長のジェルソン・デ・メロ・アウマーダ被告の担当弁護士が21日、パラナ州連邦地裁に、「PBへの賄賂支払いはPT政権が議会での支持取り付けと選挙費用捻出のために計画したもの」との同被告の証言をまとめた文書を提出した。
同文書では「ある政党が12年以上国政を司るには他党との政治的なかけ引きが不可欠で、公社の運営などの仕事の割当てが必要だった」「連邦議会は議員に金をばら撒かなければ他党の支持が得られないほど腐敗した状態となっている」「当時、株で儲かっていたPBが、議会での支持獲得や政党資金捻出のために利用されたのは偶然ではない」とも記している。
同文書では、PTの誰がペトロロンを仕掛けたかには触れていないが、ペトロロンに絡んだ企業はPB社元供給部長のパウロ・ロベルト・コスタ被告に「契約を台無しにしたくなければ払え」と脅されていたという。
メンサロンも、議会での支持取り付けのための大型収賄事件だった。コスタ容疑者が供給部長となった04年当時、ジルセウ氏は官房長官で、メンサロン事件も明るみに出ていなかった。
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