米国の非営利組織Ctatalystが、ブラジルの株式上場主要企業の経営審議会では女性の占める割合はわずか6%に過ぎず、調査された20カ国の中では3%の日本を上回るだけだった(1位はノルウェーで35・5%)と発表した。25日付フォーリャ紙が報じている。
大手スーパー、電力会社、ITソフトウェア会社の3社の経営審議会メンバーを兼任するマリア・エレナ・サンターナ氏(55)は例外で、主要企業の経営審議会レベルで見たブラジル女性の社会進出度はまだまだ低い。
サンパウロ証券取引所の平均株価指数(Ibovespa)算定対象63社の経営審議会メンバーは584人だが、そのうち女性が占める座席は36、人数では34人のみで、女性が2人以上の経営審議会はゼロだ。
「女性が経営審議会に入るには、まず女性が役員会に沢山いなくてはならないが、その点でもブラジルは遅れている」と教育調査研究所(Insper)の調査員レジーナ・マダロッゾ氏は語った。
監査法人グラント・ソントン社によると、ブラジルでは女性の企業役員は22%にすぎず、これは同じ南米諸国のアルゼンチン、チリ、ペルーよりも少ない。
女性の進出率は文化的な要因が大きい。ノルウェーでは2003年、経営審議会員の40%は女性とするよう定める法律ができ、仏国、西国、独国もそれに倣っている。
ブラジル企業体統治院(IBGC)は定員を決める事は理想的な解決策ではないとし、同院経営審議会議長のサンドラ・ゲーラ氏は、「ブラジル企業はもっと女性活用に努力すべきよ。今までの因習に囚われていては達成できないわ」と述べた。
ブラジル外に本社を持つ多国籍企業では、本社の方針のもと、女性登用に一日の長がある。コカコーラ社、ダウケミカル社、ユニリーバ社などは、「人口の半分以上を占める女性の才能を埋もれさせられない」「女性を登用することで業績も株価も上がる」といった方針の下、自由な勤務時間や在宅勤務を認める、社内に新生児室を設けるなどして女性の重役登用を進めている。