サンパウロ市政記念日に行われた全伯ジュニアサッカー選手権決勝、コリンチャンス(以下コ軍)対サンパウロ州ボタフォゴ(以下ボ軍)を見に競技場を訪れた。
0対0の膠着状態で迎えた後半、単純なシュートをボ軍の主将たるキーパーが後逸し1対0となった。コ軍の先取点に沸騰する競技場で、ボ軍全員が痛恨の主将を慰めていた。会場ほぼ全員コ軍ファンの四面楚歌、必死に戦うボ軍の奮闘に心打たれた。
試合はそのまま終了し、残酷な光景が芝生の上に描かれた。「プロになって家族に楽をさせる」と決意している20歳前の選手にとって、この大会はプロ契約を勝ち取る最後のチャンスだ。
決勝戦での大ポカは致命的ミスか、将来の肥やしか。彼がプロになり「あの悔しさが自分を成長させた」と取材に答えていることを、コ軍応援団の喧騒の中で密かに祈った。(規)