ジウマ大統領は27日に、第2期政権成立後初となる閣僚会議を開いた。その席で大統領は、財政支出の大幅な切りつめを行ったことを肯定しつつも、噂されていた失業保険の削減に関しては強い口調で否定し、さらにマスコミへの不信感も口にした。28日付伯字紙が報じている。
新閣僚39人と大統領、副大統領が揃った初の閣僚会議は、ブラジリアの大統領官邸(グランジャ・ド・トルト)で行われた。
この日の話題の中心となったのは経済政策だった。ジョアキン・レヴィ財務相をはじめとした新経済スタッフは既に、厳しい財政支出削減を発表している。特に、失業保険や給料の前借、遺族に対する年金支払いの承認基準を厳しく制限したことは話題を呼んだ。
こうした財政切り詰め政策は、野党をはじめ、労働者党(PT)や他の与党からも、「野党側が大統領選のキャンペーンで主張していた経済刷新案に似ている」と批判されていた。PTは同キャンペーンでそれらの案を攻撃していた。
ジウマ大統領は席上、「現在私たちが行っている財政調整は、PT政権が12年前からはじめた社会や経済を最優先するという方針を保ちつつ、雇用の機会を拡大するために必要不可欠なものだ」として、新たな経済政策を肯定した。
労働者法を改正して失業保険の受給資格などを厳しくしたことに関しては、「この変更は、労働者の権利を損なわせるものではない」「私が選挙時に唱えていたことは1ミリたりとも変わっていない」と主張した。
大統領はさらに、「マスコミはよく事実を知りもせず、誤った情報を流しているから、私たちはそれに立ち向かわなければならない」と語り、マスコミを強く牽制した。
失業保険の受給資格についてはここ数日、中央労組が中心となり、連邦政府に見直しを迫っていたと報じられていた。連邦政府はその要求を渋々ながら受け止め、最低6カ月だった連続勤務期間を18カ月とする方針を再度見直すことにした。これにより、切り詰め可能と見ていた90億レアル分を補填する方策を考えなければならなくなったとも言われている。
また、この席でジウマ大統領は、南東伯を中心とした水危機の話にも触れ、対策を行うとも語った。同大統領は選挙キャンペーン時に野党側(民主社会党・PSDB)のジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事の水危機対策を批判していたが、水危機が電力供給にも影響し始めたことで、連邦政府も協力姿勢に転じている。
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