リオ五輪を1年後に控え、ヨット競技の会場に選ばれているグアナバラ湾の水質汚染が懸念されているが、その浄化方法を巡る混乱を28日付エスタード紙が報じている。
アンドレ・コレアリオ州環境局長が「(グアナバラ湾の浄化目標到達は)無理だろう」と言った4日後、リオ五輪組織委員会は、来年までに湾内に流れ込む排水の80%を浄化する意志を改めて示した。
組織委員会広報部長のマリオ・アンドラーダ氏は、27日に報道陣に対して、リオ州プロジェクト管理局(EGP‐Rio)技術部門から、「湾内浄化の目標は継続される」との通知を受け取ったと発表した。
「2007年に処理されていた排水は11%だけだったが、今日では50%近くまで処理が進んでいる。私達は州政府と共に働き続ける。全ては計画通りだ」とアンドラーダ氏は述べ「選手達に被害が及ぶ危険は無い」とした。
グアナバラ湾の浄化が競技に適したレベルに達していないと判定された場合、開催地の変更はあり得るかとの質問もアンドラーダ氏は一蹴した。「代替案など無い。ヨット競技は必ずグアナバラ湾で行われる。湾内にゴミが入り込まないような仕組みを作る。いかなるゴミもヨットレースの邪魔をすることはない」と述べた。
同湾を20年以上研究している生物学者のマリオ・モスカテッリ氏は27日に同湾を上空から観察した上で、浄化作戦に進展は見られないとの見方を示し、「国際五輪委員会とリオ五輪組織委員会の代表者には是非私と一緒に湾の状態を見て欲しい。私と見解に相違があるとは思えない」と語った。
リオ五輪組織委員会は27日、「『湾の汚染を80%取り除く』ことと『湾に流れ込む汚水の80%を浄化する』ことの間には相違がある」と強調した。同委員会では今行われているのは後者だとしている。
モスカテッリ氏によると、これはあってはならないことで、「ある時は『湾の80%の浄化』について話していたと思ったら、次は『流れ込む汚水の80%を浄化する』ことについて話していると言う。現在は湾に下水を垂れ流している川が10もある。五輪までにはその数が5か7にまで減ってるといいのだが」と述べた。