1日に上下両院の議長選挙が行われ、注目の下院は、ジウマ大統領をはじめとする連邦政府や労働者党(PT)からの反対を受けていたエドゥアルド・クーニャ氏(民主運動党・PMDB)が一次投票の時点で圧勝、政府には手痛い結果となった。上院議長はレナン・カリェイロス氏(PMDB)が2期連続4度目の当選となった。2日付伯字紙が報じている。
「ブロコン」と呼ばれる反ジウマ派議員を率いた与党の反乱分子でPMDBの下院リーダーでもあるエドゥアルド・クーニャ氏の同院議長選出は、連邦政府も労働者党(PT)も食い止めたいところだった。
クーニャ氏に対抗すべく、PTはアルリンド・キナリア氏を擁立、大臣たちも動員して票のとりまとめを図った。だが、クーニャ氏は一回目の投票で過半数の256票を上回る267票で圧勝、キナリア氏は126票に終わった。
クーニャ氏はPMDBや与党のブラジル労働党(PTB)、進歩党(PP)、ブラジル共和党(PRB)、野党の民主党(DEM)、キリスト教社会党(PSC)、連帯(SD)などの支持の取付けに成功した。
キナリア氏はPT、社会民主党(PSD)、共和党(PR)ら連立与党6党の協力を得たが、計72人の議員を持つPPとPRBをクーニャ氏に奪われたのが痛かった。
また野党最大党の民主社会党(PSDB)はジュリオ・デルガド氏(ブラジル社会党・PSB)に票を投じ、同氏も100票を獲得した。社会主義自由党(PSOL)のシコ・アレンカール氏も8票を獲得した。
当選後、クーニャ氏は「議会を不安定なものにする気はない。政治の安定のないところでは経済も安定しない」と語ったが、就任早々に議員割り当て金の100%払い出しを義務付ける提案を出来るだけ早く審議する意向を表明、早くも連邦政府を悩ませている。福音派のクーニャ氏は社会運動や同性愛者の権利主張に反対の立場を取るなど、PT政権の路線とは異なる主義の人物としても知られている。
下院副議長はPPとPR、書記はPRBとPSD、PSDB、PTBから選ばれ、PTはこの面でも敗北を味わった。
PMDB同士の出馬となった上院は、レナン氏が49対31でルイス・エンリケ氏を抑えて当選した。レナン氏の当選は連邦政府も支持していたが、クーニャ氏とレナン氏はラヴァ・ジャット作戦で「疑惑の政治家」として名前をあげられており、かねてから叫ばれている「政界浄化」には疑問を残す結果となった。
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