ブラジルTV界の大物司会者、シューシャ(51)の今後の契約テレビ局がどこになるかは昨年末からブラジルのエンターテイメント業界でずっと話題だったが、このたびレコルデ局に移籍することが正式に決まった。
シューシャは、1980年代に最大手のグローボ局の子供番組で空前の成功を記録して以来、常にグローボの顔であり続け、その在籍期間も2016年には丸30年に及ぶはずだった。それは2015年に開局50周年を迎える同局の歴史の半分を超える長さで、誰もが認める功労者だった。
ところがここ数年、彼女が司会する番組の視聴率が低迷しはじめ、それに加えて持病の母趾種子骨炎が悪化したため、14年は活動休止状態だった。
結局、シューシャの次の契約先はグローボとの契約期間である14年12月いっぱいまでには決まらず、宙に浮いた状態となっていたが、今月3日、シューシャが新たな契約先としてレコルデを選んだことが報じられた。
シューシャの獲得をめぐる争いは、ブラジル大手局で最長の歴史を誇る老舗のレコルデと、富豪司会者シルヴィオ・サントス所有の局で現在視聴率2位と好調なSBTのあいだで行われていたが、前者が勝利した。
伝えられているところによると、シューシャのレコルデ行きは彼女の本意ではなく、グローボとの不調が最大の要因だという。グローボは、もはや大きな話題性のなくなったシューシャとの契約に魅力を感じておらず、彼女の望む子供番組の制作にも興味を示していなかったという。
また、シューシャにとってレコルデは因縁の局でもあった。同局はブラジルで大きな影響力を誇るウニベルサル教団のエジル・マセド司教が所有する局だが、同教団はかつて、シューシャを「悪魔と手を交わした」と中傷もしていた。
だが、そのレコルデがシューシャを獲得できたのは、同局副会長の一人で番組制作局長のマルセロ・シウヴァ氏の熱意によるものだったという。同氏はシューシャの同局への加入を、現在同局で司会番組を担当している人気タレント、サブリナ・サトウと同様に重要なものとして受け止めている。
ただ、マルセロ氏がシューシャに期待しているのは子供番組ではない。同氏はシューシャを、アメリカの人気女性司会者のエレン・デジェネレスがやっているような、有名人をゲストに迎えた、大人向けのトークショーの司会にしたいと考えているようだ。
エレンは昨年のアカデミー賞の司会をつとめるほどの大物で、彼女の番組は週に400万人の視聴者を誇るほど成功しているが、そのブラジル版をシューシャと共に作り上げたいということだ。
子供番組へのこだわりがグローボを離れる原因にもなったシューシャがレコルデの意図通りになるか。その点も含め、今後の動向が注目される。(3日付UOLサイトなどより)