反ジウマ派の「ブロコン」を率いたエドゥアルド・クーニャ氏(民主運動党・PMDB)が1日に下院議長に当選したことを受け、連邦政府は議会との緊張関係を緩和するため、議会内での政府への支持と引き換えに、各省や公社などの役職を振り分ける戦略に出ている。3日付伯字紙が報じている。
クーニャ氏の下院議長選出は、連邦政府には痛手だった。それは同氏が反ジウマ派の急先鋒であることに加え、同氏の当選により、ジウマ大統領をはじめ連邦政府の最大勢力である労働者党(PT)の下議には下院内の役職が割り当てられないなど、議会内でのPTの影響力が弱まってしまったためだ。
PT側の危機感と今後への対策は、2日の議会で現れた。この日、アロイージオ・メルカダンテ官房長官(PT)は、連邦議会での年度最初の本会議後、ジウマ大統領が2月中に次なる人事を行うことを明らかにした。その人事は、各省の局長クラスや公社役員などのことを指す。
同長官は、「もう既に各政党からの要請は受けている」としたが、役職者の選定には「各役職に要求される技能と、所属政党の議会での連邦政府への支持(忠誠度)が条件となる」と語った。
この発言は、今回の下院議員選でクーニャ氏に協力したグループに向けられたものだ。同グループには、同氏が所属するPMDBや、進歩党(PP)、共和党(PR)、民主労働党(PDT)、民主社会党(PSD)、ブラジル共和党(PRB)が含まれている。
クーニャ氏のグループは既に、自分たちが望んでいる役職のリストを準備している。彼らが希望する役職には、エレトロブラスやFurnasなどの電力系公社、ノルデステ銀行やアマゾニア銀行、全国干害対策工事局などが含まれている。
また、この日の本会議にはジウマ大統領のメッセージも寄せられ、会議の冒頭で下院第一書記のベト・マンスール下議により読み上げられた。それによると、「(失業保険や、社会統合基金(PIS)からの最低賃金分のボーナス、遺族年金の受給資格の厳密化、燃料や化粧品、輸入品などへの増税といった)新しい経済政策はブラジル経済を発展させるためのものであり、経済後退を招くものではない」とした。
クーニャ氏は下院議長としての最初の仕事の一つとして、3日に議員割当金を100%払い出すことを義務付ける法案の審議を行う意向で、政府の経費削減策への影響が懸念されている。
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