日伯外交関係樹立120周年記念事業ブラジル実行委員会(梅田邦夫委員長=駐伯日本国大使)は2日、在聖総領事館で第4回会合を行なった。構成員の日系5団体ら約20人が出席した。会議後に梅田大使、福嶌教輝在聖総領事、山元毅(つよし)在リオ総領事が会見し、目玉企画の花火大会と展示会開催の進捗状況を伝えた。また記念事業の一つに、日本館の改修工事も含まれることが決定した。
福嶌総領事によれば、今月のサンパウロ市サンバカーニバルに参加するために服飾デザイナーのコシノ・ジュンコさんが来伯し、その後に花火大会の打ち合わせや候補地を視察するという。下旬に詳細を詰めるといい、「9月開催の方向は変わらないが、場所や規模は未定。コシノさんの演出の仕方次第で決まる部分もある」と補足した。
ウジミナス、セラード開発などの日伯共同事業展示会は今月27、28日、ミナス・ジェライス州都ベロ・オリゾンテで行なわれる日本祭りが皮切りとなり、ベレン、ブラジリア、サンパウロ(県連日本祭り)、リオ、マリンガ、クリチーバの7カ所を巡回する。サルバドール、レシフェ、ポルト・アレグレ、麻州、南麻州でも開催したい意向だ。
今回新たにイビラプエラ公園内の日本館改修が記念事業に加わることに決まった。以前から木多喜八郎・文協会長が福嶌総領事に要請しており、今会議で正式に承認された。これまで自費で改修を請け負ってきた中島工務店(本社・岐阜)が5月に行なう作業に、約800万円を充てる。梅田大使は「コロニアにとって非常に重要な文化財」と強調し、全会一致で賛同を得たと報告した。
これら3事業の予算総額は200万レ。花火大会のみで165万ほど計上している。ルアネー法などを通じ、約45社から140~150万レの寄付が内定している。
リオ総領事館では独自の記念事業を進めている。山元総領事は「女性指揮者の第一人者である西本智実さんを招き、日伯友好音楽祭を7月末に市立劇場で、またリオ植物園内の日本庭園(清苑)の改修・整備を行なう」と明かした。13万レ強の経費が寄付などにより集められている。
その他、親善大使の要請や移民百周年マスコット「チカラ」「ケイカ」の使用手続きを進めており、海上自衛隊練習艦隊は国内3、4カ所に寄港する方向で調整中。梅田大使は「ジウマ大統領の訪日と、皇室のご来伯もぜひ実現させたい」と話し、要人往来に意欲を見せた。
120周年ロゴ作成者=「日本文化に誇りもつ」
外交120周年委員会の会議後には、応募数80の中からロゴマーク最優秀作品に選ばれたブルーノ・ヒトシ・テルヤさん(27、三世)=グアルーリョス在住=が表彰された。06年末と07年末に数カ月間、日本でアルバイトした折、広島の平和記念公園を訪れた。そこで折鶴が平和の象徴であることを知り、そこから発想をえた。応募理由を「日系人として日本文化に誇りを持っているから」と説明し、120周年の成功を祈念した。