在インドネシアブラジル大使館は4日、今月末に銃殺刑執行が予定されているブラジル人のロドリゴ・グラルテ死刑囚(42)が統合失調症と診断されているとして、同死刑囚の精神病院への収容を要請したと4日付のエスタード紙が報じている。
同死刑囚は2004年に6キロのコカインを密輸しようとして現行犯逮捕され、その後、死刑判決を受けていた。
精神病院収容は死刑の執行を遅らせる目的もある。「グラルテ死刑囚は統合失調症との診断が出ている。インドネシアの法律では病人は死刑執行されないことになっている」とブラジル大使館員が匿名を条件に述べた。
同死刑囚は刑務所で厚遇されており、ブラジル領事館員の見舞いの他、家族の訪問も受けている。ムハメド・プラセチョ検事総長は、同死刑囚を含む、11人の銃殺刑の準備はできているとした。
現地英字メディアによると、刑の執行はヌサカンバンガン島で2月末に予定されている。
ジウマ大統領は1月18日、マルコ・カルドーゾ・モレイラ死刑囚の刑執行延期を求める嘆願がインドネシア当局に聞き入れられなかった事を受け、在インドネシア大使を本国に召還している。同大使は現在もブラジルにおり、ジルマ大統領は1月のモレイラ被告の死刑執行後、「両国の外交関係に深刻な影響を及ぼす可能性がある」と述べた。