グラッサ・フォステル総裁の辞任を受け、注目されていたペトロブラスの新総裁に現ブラジル銀行総裁のアウデミール・べンディーネ氏(51)が就任することが決まった。同氏の選出は事前に予想されていた人物と全く違っていたことから、驚きをもって迎えられた。6日付伯字紙サイトが報じている。
ペトロブラスの新総裁をめぐっては、ここ数日様々な憶測が流れていた。一部報道では、ジウマ大統領は社会経済開発銀行(BNDES)総裁のルシアーノ・コウチーニョ氏やヴァーレ社長のムリーロ・フェレイラ氏を希望していると言われていた。特にコウチーニョ氏はペトロブラスの経営審議会の委員でもあり、有力視されていた。
一方、ルーラ前大統領は前中央銀行総裁で国際的な知名度も高いエンリケ・メイレーレス氏を推していたと言われていたが、ジウマ大統領が難色を示していた。
その他、元BRディストリブイドーラ会長のロドルフォ・ランジム氏、前ヴァーレ社長のロジェール・アギネル氏などを有力視するメディアもあった。
だが、正式に白羽の矢が立ったのは、事前の予想では全く名前が挙がっていなかったべンディーネ氏だった。
同氏は2009年に46歳の若さでブラジル銀行の総裁に就任。同銀行の建て直しで実績をあげたことなどから、経済誌などが「ブラジルで影響力のある人物」に選出したりはしていたが、同氏は32年間、ブラジル銀行ひとすじで過ごしており、石油事業の経験はない。
今回の人選はジウマ大統領の意向が強いと言われるが、ベンディーネ氏は労働者党(PT)とも強い結びつきがある。
また、同氏の選出に伴い、ブラジル銀行財政担当理事のイヴァン・モンテイロ氏がペトロブラスの財政部長に就任する。その他の上層部はおのおのの分野でキャリアのある人物が選ばれる見込みだ。
この全く意外な人選を受け、6日のサンパウロ証券取引所(Bovespa)ではペトロブラスの優先株式が14時15分現在で8・16%、普通株式も7・87%下落した。グラッサ氏辞任の可能性が強まった3日の同社株式は15・47%と14・23%あがっていた。当初の予想では、新総裁には「国際的な知名度が高い人物が選ばれる」と見られていた。
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