ブラジル中央銀行(BC)が5日、1月の貯蓄預金(ポウパンサ)の預金額と引き出し額の差がマイナス55億2900万レアルとなり、ポウパンサが導入された1995年以降で最大の出超となったと発表したと6日付伯字各紙が報じている。
以前は2006年のマイナス38億レが最大で、インフレ率を考慮に入れると、同年の出超分は今年1月を上回る60億レ相当だった。
1月は景気にたいする先行き不透明感から、多くの国民がポウパンサを引き出して借金の返済に充てたようだ。ブラジル民が引き出し分より多く預金をしたのは、全21営業日の3分の1の7日しかなかった。
全国経営・財務エグゼグティブ協会(Anefac)会長のミゲウ・ジョゼ・リベイロ・デ・オリベイラ氏は、「今後はネガティブな数値が並ぶだろう。2015年の家計は窮乏し、一般家庭は困難に直面するだろう」と予想した。
ジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)教授で個人家計の専門家のミリアン・ルンド氏は、所得の向上率の低下と負債を抱える人が増えたのが一因と見、1月のような現象が繰り返されないよう願っているが、15年に関しては「今年は食料品価格、光熱費が増大などで、貯蓄を増やすのは難しいだろう」と述べた。
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