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壹岐尾悟副社長
壹岐尾悟副社長

ジャパンマシナリー南米進出めざす=環境に優しい機器流通を

 日本製の最新産業用機械をブラジルに流通させるため、ジャパンマシナリー株式会社(本社=東京都、1959年設立)の壹岐尾悟副社長(56、福岡)が先月28日から来伯している。3日にNPO法人「地球の心・日本」(神奈川県)の伊藤修理事長(63、神奈川)と共に本紙を訪れ、同社の戦略を語った。
 海水を真水にする海水淡水化装置や貝殻粉砕機、搾油機、干物製造機など多岐にわたる同社が取り扱う製品を、「アグロ・エコロジー」のシステムごと提案するのが目的。「アグロ…」とは、環境や生態系を守る持続可能な農業や社会のシステムを指し、化学肥料や農薬を多用する工業化した農業とは対照をなす。単なる一農業法を超えた包括的な概念だ。
 壹岐尾副社長は「海をきれいにして海産物を養殖し、貝殻を肥料にして山で作物を育てる。そうして肥沃になった土壌から栄養分が海に流れるという仕組みで、日本の里山と同じです」と説明する。
 同社の海外支店は目下ロシア・モスクワのみだが、世界40カ国に販売網を持つため、商品の代理販売までを担う。「食品加工の規模に合わせた提案も色々できる。例えばぶどうでジュースを作るなら、種は捨てずに油を採るなどして有効活用すべき」と言う。
 先週末は、モジ市であった中央開発コーポレーション社主催の日系農家連携強化会議に参加。その後はアグロ・エコロジーが盛んというリオ州アルマサン・ドス・ブージオス市も訪れ、企画紹介を行う。
 国際交流や世界の自然環境保全を推進する「地球の心」がそれを後押ししている。伊藤理事長は元ブラジル移民で、トメアスーのアグロフォレストリー創設に農協「CANTA」の広報として携わった経験があり、日本でもその紹介を行うなど、森林保護の啓蒙活動を続けている。
 同理事長は「農産物を輸出するには加工しなくては。ホタテやカキを養殖し、干物にして流通させたい。ブラジルにはなかった日本の伝統的概念を広められれば」と張り切っている。