連立与党の主要政党である民主運動党(PMDB)が、連邦政府と距離を置き、独自の立場で議会審議に臨んで行くことを決めた。同党は労働者党(PT)やジウマ政権にとっての最大パートナーだけに、政局運営はますます厳しくなりそうだ。11日付エスタード紙が報じている。
連邦政府の思惑が議会に届かないことは、いみじくも10日の下院で再度証明された。この日の下院では、議員割当金の100%支払いを保証する憲法補足案の2回目の投票が行われ、承認された。 議会がこのような行動に出たのは、政府が自分たちの進める案を議会で通すための脅し材料として議員割当金の支払い凍結を行えないようにするためだ。
これが正式に決まれば、政府は議員割当金最低額として、前年の国庫歳入額の1・2%(2014年の歳入で計算する77億レアル)を支払わなければならなくなり、ジョアキン・レヴィ財務相を軸とする新経済スタッフのもとで支出削減を試みているジウマ政権への足かせとなる。
同補足案はPT党員も賛成票を投じたが、ここへ来て、PMDB内での「連邦政府からの独立」を叫ぶ声が強まっている。同党議員らは、PTとの関係はかつてないほど悪化しており、現在のPTのやり方では18年の大統領選挙には勝ち目はないと見ている。
PMDBの態度硬化は、1日の下院議長選挙に出馬したエドゥアルド・クーニャ氏の当選をPTが阻止しようとしたことが引き金になった。クーニャ氏とペペ・ヴァルガス大統領府政局調整担当長官との不仲も伝えられ、「対話の少なさ」も指摘されている。
また、ジルベルト・カサビ氏が社会民主党(PSD)を解党し、連邦政府寄りの新党・自由党(PL)を結党しようと動いていることも、PMDB側の神経を逆なでしている。
議会では24日に、所得税課税率の6・5%調整案に対する大統領の拒否権執行に対する審議を行うが、両院議長は拒否権執行を否決する意向だ。
また、「政治改革」に関する下院特別委員会の委員長は野党民主党(DEM)のロドリゴ・マイア下議、報告官はPMDBのマルセロ・カストロ下議となり、下院議長団同様、PTの力が削がれた。
PMDBの独立性に関しては、10日にクーニャ下院議長やレナン・カリェイロス上院議長もまじえて話し合われている。
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