ブラジル地理統計院(IBGE)が10日、2014年の平均失業率は6・8%で、2013年の7・1%を下回ったと発表した。しかしながら全国家庭サンプル調査(Pnad‐Continua)のデータは下半期からの雇用の質の悪化を示している。
この発表を受け、14年の失業率は13年より若干改善したものの、第3、第4四半期の数値は思わしくなく、今年は労働者には厳しい年になるとの見方を11日付伯字各紙が報じている。
シンクタンクMB&Associadoのチーフ・エコノミストのセルジオ・ヴァレ氏は「今のように経済が停滞している時は家計が苦しくなり、職を探す人が増える」とし、今年の第4四半期の失業率は7%、年間の失業率は8%になるとの予想している。
IBGEで雇用と所得に関する調査を担当するシマル・アゼレード氏は、第4四半期の民間部門の正規雇用は前期比で14万7千人減っており、「正規雇用者の減少は雇用の質の悪化を意味する」と述べた。
13年と14年の第4四半期の失業率を比べると、6・2%と6・5%で14年の方が悪い。それは労働市場が、1年間で増えた就業可能な年齢層の人(274万2千人)を受け入れるほどの働き口を作り出せなかったからだ。第4四半期は135万人が働くのをやめたが、新規採用は99万3千人分しかなく、結果的に失業者が36万人増えた。
「就業人口が増えただけでは失業率の低下のためには充分ではない。就業可能な人口増加を上回るペースで就業人口が増え、正規雇用が非正規雇用以上に増加することが必要だ」とアゼレード氏は続けた。
リオ州商業連盟(Fecomercio RJ)は、経済の停滞や断水・停電への不安感がブラジルの雇用の増加に待ったをかけていると分析。雇用の悪化は消費の動向にも影響を与え、消費財の購入が落ちているとした。
サンパウロ総合大学(USP)教授のルシアーノ・ナカバヤシ氏は、今年は建設部門で景気の実情から少し遅れて、高い失業率を引き起こすとした。