パラー州都ベレンの「アマゾニア日伯援護協会」(八十島譲エジソン会長、会員数約750人、以下「援協」)が創立50周年を記念し、先月31日、汎アマゾニア日伯協会神内講堂で記念式典を開いた。1965年1月、厳しいアマゾン開発に携わる日本人移民を福祉・医療面から支援するべく「アマゾニア日本人移民援護協会」として発足、福祉・医療サービスを提供し、移民の原動力となってきた。同協会が運営するアマゾニア病院第3病棟(神内良一病棟)も一時中断していた工事が再開、7割完成した段階で一足早い落成式も実施された。約300人が集い、末永い繁栄を祈った。
援協は同病院のほかにも、アナニンデウア市シダーデ・ノーヴァにアマゾン地域唯一の日系福祉施設「厚生ホーム」、トメアスー移住地に十字路病院も運営、サンタレン、モンテアレグレなど無医村地帯への奥地巡回診療も創立以来継続する。医療保険「アマゾニア・サウーデ」の会員は約9千人、8割以上が非日系だ。
式典は空軍音楽隊の演奏にあわせ、日伯両国歌の斉唱で幕開けした。八十島会長は「今日の式典はパラー州での日ブラジル交樹立120周年事業のスタート」と宣言し、援協の歩みを詳しく紹介した。
在ベレン日本国領事事務所の小林雅彦所長は「両国の医療関係の発展においても、援協の協力をお願いしたい。120周年事業の第1号を、こういう形でお祝いでき嬉しい」と祝辞を述べた。
汎アマゾニア日伯協会会長で、同病院の古参医師の生田勇治氏は、同病院に携わった初期日本・日系医師を列挙し、「先駆者の存在は今日の祝福に欠かせない存在。これからも私たちを指導してほしい」と話した。
仁和ウィルソン病院長、パラー日系商工会議所の山田フェルナンド会頭、サンパウロ日伯援護協会の菊地義治会長、JICAブラジル事務所の室澤智史所長、セルジオ・フィゲイレド衛生局長らも祝辞を述べた。
功労者表彰に続き、鏡割りが行われ、創立時から同病院に勤務する伊東澄雄医師が「今日というこの日を、当時と同じ熱意を持って迎えられることが嬉しい」と乾杯の音頭をとった。
参加者一同は和太鼓など余興を楽しみながら、夕食に舌鼓を打ち、記念すべき日を祝った。