17日未明、サンパウロ市ヴィラ・マダレーナでカーニバルを楽しみに街に繰り出した群衆と軍警との間で衝突が起き、少なくとも4人の負傷者が出た。しかし、ヴィラ・マダレーナには17日夜も大勢の人が詰め掛け、前夜にも負けぬ賑わいを見せた。
街の若者は記者の質問に対し、「灰の水曜日」の18日朝までお祭り騒ぎを止めるつもりはなく、市が出していた午前1時までに屋外での騒ぎは終了との決まりもお構い無しだ。
「ウォッカにビール、ジュースを持ってきた」と企業経営のカウエ・カルボーニさんは語る。20人近い友人と共にサンパウロ市内北部から来た彼は、朝の3時まではいるつもりだ。
午後11時ごろ、人々は楽器を鳴らし、歌っていた。列をなし、通り行く女性にキスを迫る一団も現われた。
16日夜から17日未明にかけてのヴィラ・マダレーナでの混乱は、午前0時45分頃、群衆を解散させていた警察に瓶が投げつけられたために始まり、警察がガス弾を発射して終わった。
朝になり、地域住民は汚れと騒音にクレームを出した。「玄関の前で吐くし、瓶をもってわめきながら歩いてるし」と語るのはマルコ・アントニオ・マルチンスさん(52)だ。「昔はこんなじゃなかったのに、もう住めないわ」とマリア・エレナ・ロビンさん(65)も語る。
サンパウロ市役所は来年のカーニバルでは、ヴィラ・マダレーナでの規制を厳しくする事を検討している。
ピニェイロス区長のアンジェロ・フィラルド氏は、17日未明のような騒動を避けるため、道を封鎖し、騒ぐスペースを制限する考えだ。祭りの参加者は持ち物検査をされ、ガラスの瓶を持ち込もうとする人は排除される予定だ。
市の発表によると、今年のカーニバルは150万人が道に繰り出した。この数は昨年より50%多い。ヴィラ・マダレーナ以外にも市内中心部も多くの人を集めた。
14日は2万人以上がブロッコに参加して大いに賑ったが、行進の終わりに、ブロッコを先導するトリオ・エレットリコのそばで1人が刺殺される事件も起きた。
ブロッコの行進では、その他にも、サンパウロ交通工学公社が道を封鎖するのが遅れた例や、スピーカーを積んだ車がイピランガ通りとサンジョアン通りの交差で立ち往生して群集から孤立した例など、問題点が露になった。
サンパウロ観光公社が14日の道のパレード参加者1千人にアンケート調査を行ったところ、参加者の84%はサンパウロ都市圏出身で、58%はカーニバル以外の理由でサンパウロ市に来てパレードに参加したという。(18日付フォーリャ紙より)