ジョアキン・レヴィ財務相は18日、ニューヨークで行われた投資家たちとの会合で、14年の国内総生産(GDP)がマイナスである可能性があることを認め、15年も苦しい年になるとした。だが、今年の基礎的財政収支の黒字目標は極端な財政カットを行わずに達成し、16年からの経済成長に備えたいとした。19日付伯字紙が報じている。
今回のレヴィ財務相の米国訪問はブラジル経済に対する国際的な信用を取り戻すことを目的とするもので、17日にはワシントンDCで世界各国の政府代表や企業家たち約50人と会談。18日は、ブラジルに投資している投資家たちの協会三つが主催した会合に出席した。
レヴィ財務相は180人余りの投資家たちに対し、正式発表の約1カ月前であるにも関わらず、14年のGDPがマイナスに転じた可能性に初めて言及した。中央銀行(BC)が13日に発表した市場調査〃フォーカス〃では0・02%成長と見ているが、BCそのものは既にマイナス予想も出している
だが、同財務相は「15年は試練の年になる」ことを認めながらも、1月のダボス会議での今年の成長は「ゼロ成長」と発言を基本的に維持している。これは13日付のフォーカスによる0・42%のマイナス成長より楽観的な見方だ。
一方、15年の基礎的財政収支に関しては、1月に行った経済支配介入納付金(Cide)をはじめとした増税は、08年の金融危機以降に採った減免税政策を元の軌道に戻しただけと説明。今後は公共支出削減も含むインフレ抑制などの構造改革を行えば、増税や極端な投資削減などをしなくても、「GDPの1・2%」という黒字目標は達成できるとし、「支出を13年の水準に戻せば目標達成は可能だ」との見解を示した。
同財務相は15年の低成長期後の16年は景気再浮上を狙う目論見で、「中国や米国は景気の波にとらわれない経済対策に戻りつつある。ブラジルも正常な経済循環に則った政策に戻らなければならない」と語った。
さらに、「ブラジルはまだ国外投資の対象国であり、インフラへの民間投資も盛んだ。経営権譲渡という形の入札もこの20年間、成功してきた」と投資家たちにアピールし、来年のリオ五輪や、ペトロブラスの岩塩層下油田での事業再建に関しても前向きに語った。
同財務相はこの会合の後、ブラジルの信用ランクが落ちる危機を緩和するため、世界3大信用格付企業の一つであるムーディーズのアナリストたちとも会談した。