サンパウロ州では今月、2月としては2006年以来最大の降水量を記録しており、サンパウロ州最大の水瓶、カンタレイラ水系では若干の水位回復が見られるものの、州内陸部では貯水設備の不備から洪水も起きている。その様子を18、19日付エスタード紙が報じている。
15日から続く雨のせいでサンパウロ州内陸部の川が氾濫している。17日朝は、ピラシカーバやカピバリ、ジュンジアイーの盆地帯(PCJ地帯)を流れるアチバイア川、ジャグアリ川、カマンドゥカイア川が大増水し、一部では洪水も起きた。
フランシスコ・ラオスPCJ地帯共同体事務局長は、「この地域には貯水池がなく、増水した川の水があっという間に流れ去ってしまうのが問題だ」としている。
同氏はさらに、2月の降水量は平均以上だが1月は平均以下で、今年の雨の季節は短く、3月には終わるとの予報も出ていることから、同共同体では各自治体に対し、雨水を溜める設備を造る事を望んでいる。
他方、過去9年間で最も降水量の多い2月であるにも関わらず、カンタレイラ水系の貯水池に流れ込む水量は毎年2月の平均値を46%下回っている。
国家水資源庁の報告書によれば、同水系への入水量は、乾ききった地面にしみ込んでしまう〃スポンジ効果〃のせいで、期待値より毎秒3万500リットル少ないとしている。
2月1日から18日まで、カンタレイラ水系では毎秒3万4900リットルの入水を記録した。この値は1月より310%高くなっているが、水位回復にはまだ不充分だ。
2月の積算雨量は18日までに257ミリとなり、月全体の平均値199・1ミリより29%多い。月末まで10日の段階で既に、2月としては283・4ミリを記録した06年に次ぐ値となっているが、カンタレイラ水系からの取水量を1年前の3分の1に絞っていなければ、この雨をもってしても貯水率の改善は起きなかった可能性が高い。