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ジウマ大統領=イ国大使の信任状拒否=死刑巡り悪化する両国関係=2人目執行加速の危惧も

 ジウマ大統領は20日、インドネシア(以下、イ国)から派遣されたばかりのトト・リヤント大使への同国政府からの信任状受け取りを拒否したと21日付伯字紙が報じた。この決定は、同国で1月にブラジル人死刑囚のカルドーゾ・モレイラ被告が処刑されたことで緊迫していた両国関係をさらに悪化させた。
 これを受け、インドネシア政府は大使を本国に呼び戻した。これは外交上は激しい抗議の意思表明で、ジルマ大統領も1月にブラジル人が処刑された時に同じ事を行っている。
 信任状の受領拒否とそれに伴う大使の召還は、ブラジル政府が、2月に予定されているロドリゴ・グラルチ被告(42)の死刑執行を食い止めようとしている最中に起こった。
 イ国外務省はパウロ・ソアレスブラジル大使を21日に召喚し、同件に関しての不快感をあらわにした。
 関係者はイ国政府がブラジル大使に国外退去を命じる可能性もあると懸念しているが、「両国関係がどのような状態にあるのかを正確に知るために、事の推移を見守ることが重要だ。インドネシア政府の信任状の受け取りが多少遅れただけなのに」とジウマ大統領は述べた。
 ジウマ大統領は1月にジョコ・ウィドド・イ国大統領にグラーチ被告の刑執行停止を求める書簡を送ったが、返事は来ていない。
 リヤント大使は信任状受け取りの式出席のため、慣習通り同国の伝統衣装を着て大統領府に来たが、マウロ・ビエイラ外相から信任状の受け取りはイ国政府との交渉を待って行う意向だと伝えられ、そのまま立ち去った。
 外務省は大統領の決定を驚きをもって受け止めた。前日発表した信任状を受け取る大使リストでは、同国大使の名は最初に記されていたためだ。
 外交関係筋は、両国間の関係悪化がロドリゴ・グラルチ死刑囚の刑の執行を早めかねないと危惧している。ブラジル外務省は20日、同死刑囚を統合失調症治療のために入院させるよう改めて要請していた。