ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | ポルトガルに家買うブラジル人増加=「金のヴィザ」取得を目指し

ポルトガルに家買うブラジル人増加=「金のヴィザ」取得を目指し

 2014年6月、企業家のジョゼ・エドゥアルド・カザリンさんは、リスボンにアパートを購入するという長年の夢を実現した。
 「ポルトガル出身でもなければ、ポルトガル人の子孫でもない。でも、1990年代にリスボンに住んでいた事があり、あの国が大好きなんだ」と言うエドゥアルドさんは、90平米のアパート購入により、夢の実現と共に、32万ユーロを同国に投資した事になる。
 購入した家は地元の不動産屋と契約を結び、自分が旅行する時の宿にする以外は短期の貸し出しも行う予定で、1500~2000ユーロの月収も見込まれる。
 エドゥアルドさんは、リスボンにするか、ポルトにするかで迷っている ものの、既に次の不動産も購入する意向も固めている。2軒目の家を購入すれば同国内での投資額は50万ユーロを超え、投資のための特別な家屋購入のための権利を獲得し、「金のヴィザ」も取得できる。
 エドゥアルドさんが2軒目の家の購入を希望しているのは、「金のヴィザ」を取得すると、EU諸国内を自由に行き来できる上、5年後には永住権も得る事ができるからだ。ヴィザの更新は取得から1年後と3年後、5年後となる。
 「金のヴィザ」は2年前、EU以外の国からの投資獲得策として設けられたもので、取得するための方法は、金融市場に100万ユーロを投資する、最低10人の従業員を抱える会社を興す、不動産に最低50万ユーロを投じるの三つだ。
 「金のヴィザ」創設効果はまずまずで、1月末までに、48カ国の投資家が12億8千万ユーロを投資。これらの投資によるヴィザ発行は2103件に及んでいる。その内訳は、1994件が不動産購入によるもので、105件は金融市場への投資、それ以外は会社を興したものだという。
 在サンパウロ・ポルトガル総領事のパウロ・ロウレンソ氏は、同種の投資が生んだ雇用創出などの結果に「想像以上の効果」と驚きを隠さない。
 「金のヴィザ」取得者を国別に見ると、9億6500万ユーロを投資し、1692人が取得した中国が最多で、6千万ユーロを投資し、69人がヴィザ取得のブラジルは2位だ。69人中53人は不動産購入、16人は金融市場への投資によるもので、ここ3カ月はヴィザ取得を目指す人が増えている。ヴィザ取得3位はロシア、4位は南アフリカ、5位はレバノンだという。
 ロウレンソ氏は、「金のヴィザ」取得者増加の背景にはポルトガルの国力向上も影響していると見ている。同国の国内総生産(GDP)は2014年に0・9%成長し、今年も1・5%の成長が見込まれている。一方、ブラジルはのGDPは、昨年が限りなく0に近い成長で、今年はマイナスになると見られている。(23日付エスタード紙より)