23日、ディーゼル油価格や高速道路の通行料金上昇などに抗議したトラック運転手達が8州で国道を封鎖したと24日付伯字各紙が報じた。
独立系のトラック運転手の発案で始まった抗議活動は、これまでも運送料金の引き上げや高速道路の改善などを勝ち取ってきた。この抗議活動により、諸州では、食料や燃料の運搬、供給などに支障が出ている。
サンパウロ州とミナス州を繋ぐフェルナン・ジアス道では23日午後、36キロに及ぶ渋滞が発生した。
パラナ州では高速道路20カ所が封鎖されたため、ガソリンの尽きたスタンドや収穫用の機械を動かすディーゼル油がなくなる農家も現われた。
抗議の波は南大河州にも及び、同州では高速道路が6カ所で止まった。
大豆の収穫真っ只中の麻州では、農作物を運ぶ主要道路の国道163号線で抗議活動が起きた。大豆生産者協会副会長のシウヴェジオ・デ・オリヴェイラ氏は「封鎖が長引いて流通が止まると、貯めておく場所が無い農家の多くは深刻な事態に陥る」と述べた。
サンタカタリーナ州西部では、牛乳、肉、小麦の流通に影響が出た。生鮮食品積載車両の通行は許されるが、帰りの通行や貨物の積み込みが許されず、生産者達が牛乳を捨てる事態も発生、同州経済は危機に瀕した。ゴイアス州、ロンドニア州、南麻州でも同様の影響が出ている。
全国トラック運転手連合(Unicam)会長のジョゼ・アラウジョ・シウヴァ氏は、「今回の抗議活動は独立系の運転手達が絶望的な状況に落ち込んでいる事を示している。状況が好転しなければ、多くの運転手達は年内に廃業の憂き目にあうだろう」と続けた。
全国トラック運転手統一運動(MUBC)、ブラジルトラック運転手協会(Abcam)は直接の関与を否定した。SC州西部交通・輸送業者組合会長のパウロ・セルミオーネ氏は、抗議活動は組織だったものではなく、トラック運転手達が個人的に行っているが、動機は理解でき、支援するとした。
運転手達の抗議活動は24日も続き、国道封鎖は9州に拡大した。