南米最大級の雑貨・日用品・ギフト見本市「第50回ギフト・フェア」が23日から4日間、サンパウロ市エキスポ・センター・ノルチで開催された。日本からも京都(6社)、愛知、香川、東京、岐阜、神奈川の6都府県から11社の中小企業がジェトロのジャパン・ブースを通し、様々な商品を出展した。
第1回ギフト・フェアは1990年、わずか1500平米の敷地に50社を集めて実施された。当地では、高い購買意欲を持つ中間層の増加により雑貨・日用品市場が拡大中。50回目を迎える今回は700社以上が最新の装飾品や日用品、ギフト類を紹介した。来場者は約6万5千人。
ジェトロはブラジルでの販路開拓を狙う中小企業に代わり、代理店や販売先の発掘を担う。企業の海外進出を現地支援する「プラット・フォーム事業」の一環でもある。昨年、今年も出品したこけしメーカー「木村桜士堂」を始め、多くの企業が商談を成立させた。
風呂敷や漆器など伝統産品のほか、髪を梳くと顔がリフトアップ(しわが伸びる)するというヘアブラシ(ピーチェリーノ社製)、海外25カ国に輸出し、デザイン性に定評のあるマルモ印刷の雑貨などが出品された。
ジェトロ・サンパウロ事務所の井上徹哉次長(43、大阪)によると、事前商談で評判が良かったものの一つが、2年目の出展となる井助商店(京都)の漆器。昨年の反省からモダンなデザインの器を出展した所、「初日の段階で買い手が見つかった」という。
海外ではアクセサリーとして好まれる数珠も、小堀(京都)の商品が好感触を得た。骸骨や達磨を模るなどデザイン性が高く、「お守りであることが付加価値になっている」という。
当地では消費者の志向も、価格重視からデザイン等の付加価値重視へ移行しており、価格は高くとも「富裕層(A―Bクラス、約3千万人)は人と違うものを持ちたがるので、この層を扱う店は飛びついてくる」と言う状況だ。
井上次長は「日本全体のブラジルへの関心は落ちているが、プラット・フォーム事業を利用するなどして、熱意を持って続ける企業は結果に繋がっている」と評価。「今は、新しいものばかりを紹介するのではなく、既存の商品を定着させていく『定着期』だと思う。いい業者と繋がって、商品の使い方も含めて紹介し、日本産品がもっと売れるよう取り組みを続けたい」と話した。