静岡サッカー協会(岡野光喜会長)の専務理事を務める竹山勝自さん(63、静岡)と、ユースダイレクター(育成年代責任者)の石井知幸さん(51、同)が来伯し、昨年のサッカーW杯を機に静岡県伊東市と交流を始めたサンパウロ州イトゥー市を25日に訪れた。地元イトゥアーノFC(昨年サンパウロ州選手権優勝)を表敬訪問し、ジュニーニョ・パウリスタ会長と面会。10月に初開催を予定する日本では珍しい「15歳以下の国際大会」への招待の打ち合わせをし、関係書類にサインを交わした。
竹山、石井両氏は25日、02年日韓W杯の優勝メンバーでもあるジュニーニョ会長を表敬訪問した。静岡サッカー協会からの呼びかけに同会長は恐縮しながら、「大変光栄」と少年らの訪日機会を喜んだという。試合規則や待遇の詳細を打ち合わせし、正式に選手ら23人を日本へ招待することが決まった。
加えてイトゥー市役所にアントニオ・カルヴァーリョ・ゴメス市長を訪ねると、ロビーでは伊東市の公立校から送られた絵画展が行なわれ、「交流盛り上げを歓迎」と喜んだという。
イトゥー市は、サッカー日本代表が昨年合宿した場所として記憶に新しい。その時、発音が似ている縁から、静岡県伊東市と国際交流を始めている。今回はサッカーにおける中学年代の強化に加え、両市の友好・親睦化が狙いだ。
開催時期は10月10日からの3連休を予定。当地以外にも、指導者招聘などで交流が深いメキシコから育成組織に定評のあるプーマス、また親日国タイからチョンブリFCも招く。
日本側は、プロチームのジュビロ磐田や清水エスパルスを含めた選抜2チームと、同じ東海地方に拠点を置く名古屋グランパスが出場予定。15歳以下の全6チームが、日韓W杯で使用した5万人収容のエコパスタジアム(袋井市)を舞台にしのぎを削る。
大会前には、イトゥー市勢と伊東市民との文化交流も企画されている。竹山専務理事は「イトゥアーノは6日夜に到着し7、8日は伊東市で大会前の調整を進める。地元チームとの交流戦やサッカー教室、歓迎会などが行なわれるだろう」と話し、両市の友好を深める機会も設ける予定だ。
「ユース直前の大事な世代の割に、中学年代で国際交流できる機会は少ない。今後さらに詳細を詰め、静岡県から独自に強化事業を進めたい」と展望し、〃サッカー王国・静岡〃の復活に向けて意気込んだ。