JICA横浜国際センター所長の小幡俊弘氏(55、福島)が、日系社会の現状とニーズ調査および、関係者と日系社会支援のあり方について協議を行うため、22日に当地を訪れた。
昨年3月末に着任。同センター内にある「海外移住資料館」館長も兼任する。前職では沖縄国際センターの所長として3年2カ月間、その前は本部のアフリカ部に3年間勤務していた。
横浜港は多くの移民を送り出した場所であり、JICA前身が移住事業を担ってきたことから、同センターでは資料館を併設し、常設展示や企画展を通して海外の日系社会の歴史や現状の紹介を行っている。
小幡さんは館長就任後、前勤務地の沖縄県と提携して企画展を行ったほか、今年3月には和歌山県移民史展を実施、来年は広島県や福岡県の同企画展を予定している。「資料館の来場者数は年間で4万人。当初の1万人超よりも増えたが、みなとみらいの集客力から考えればまだまだ増えるはず。もっと知ってもらいたい」と意気込む。
沖縄勤務時代、南北米各地から5千人以上が参加した世界ウチナーンチュ大会に出席し、「絆の深さに感動を覚え、それが日系社会への関心を深めるきっかけになった」という。
「現場を見た上で仕事がしたい。日系社会と接し、どこでどう活躍しているかを知り、横浜国際センターとして何かできることがないかを探りたい」と来伯を決意した。
約1週間滞在し、サンパウロ市移民史料館をはじめ、トメアスー移住地、ベレンの汎アマゾニア日伯協会、北伯日本語普及センター、サントス厚生ホーム、ブラジリア日本語モデル校など多数の施設を訪問する。JICAがセラード開発に携わったことから、ブラジリアの日系農家も訪ねる。
小幡館長は「W杯や五輪のあるこの機会に、ブラジル、そして南米を日本で紹介したい」と意気込んだ。
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