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聖市での感染状態について説明するパウロ・デ・タルソ・プッチーニ聖市保健局副局長(FERNANDO ZAMORA/FUTURA PRESS)
聖市での感染状態について説明するパウロ・デ・タルソ・プッチーニ聖市保健局副局長(FERNANDO ZAMORA/FUTURA PRESS)

急増するデング熱感染者=全国の半分をサンパウロ州が占める=溜めた水の管理に注意

 サンパウロ州では今年に入ってデング熱感染者が急増していると27日付伯字紙が報じている。
 保健省が25日に発表した流行病報告書によると、今年確認されたブラジル全土のデング熱患者は10万3616人で、約半分の5万1840人はサンパウロ州での患者だ。サンパウロ州の患者は昨年同期の5185人から10倍に増えた。死亡例24件中17件はサンパウロ州で発生している。
 サンパウロ市北部ブラジランジア区グアライラス街では2月だけで12人ものデング熱患者が出ている。同地区に住む交通整理員のシジネイ・ペレイラ・ダ・シルバさん(51)は家族で唯一デング熱に感染。18日以降、高熱や体中の痛みに苛まれ、仕事にも行けずにいる。
 同地区住人によると、サンパウロ市市役所は2年以上にわたって何の予防活動も行っていなかった。
 「息子は役所に電話をしたけど、役所は一度も現地に来てどこで蚊が湧いているか確認しなかった。こんなに多くのデング熱患者が発生したのは初めてよ」と主婦のナンシー・フェイトーザさん(54)は言った。
 サンパウロ市保健局は26日、27日に動物源性感染症の専門家チームを派遣すると文書で発表した。同チームは現場で予防対策を施し、予防策のガイダンスを行う。
 26日のサンパウロ市保健局の発表によると、今年最初の6週間に確認されたサンパウロ市のデング熱患者数は563人で、昨年同期の214人に比べ、2・6倍に増えている。
 サンパウロ市北部は今年に入ってからの感染例が最も多い地域で、パウロ・デ・タルソ・プッチーニサンパウロ市保健局副局長は、高温が続いていることと、水不足回避のために多くの市民が水を溜めていて、そのタンクに蓋をしていないことなどが、デング熱をもたらす蚊の繁殖に繋がっているとした。