連邦裁判所監察官のナンシー・アンドリギ判事が26日、リオ連邦地裁のフラヴィオ・ロベルト・デ・ソウザ判事をエイケ・バチスタ氏のポルシェを運転していた事などにより、同氏に関する裁判の担当から外したと26日付アジェンシア・ブラジルや27日付伯字紙が報じた。
バチスタ氏はEBXと呼ばれる企業群を取り仕切り、ブラジル一の富豪として知られていたが、石油関連のOGXの株価急落などで急速に資産を失った。現在は市場操作や文書偽造、インサイダー取引などの疑いで審理を受けている。
同氏の審理を担当していたソウザ判事は、バチスタ氏とその家族の資産凍結と不動産を含む15億レアルの資産の没収を命じたが、24日にブラジルメディアが同判事が没収資産の一つのポルシェを私的に乗り回しているのを発見。同判事は「太陽や雨で傷まないよう、自分が住むコンドミニアムの車庫に保管しており、極めて当然の行為」と釈明した事も報道した。バチスタ氏の弁護士も、別の没収資産のピアノが同判事の隣人宅に持ち込まれていると指摘した。
ナンシー判事は既に、ソウザ判事の行動を問題視し、具体的な調査を進める意向だったが、没収した資産を判事自身が利用する事やその管理下に置く事は司法担当者が守るべき倫理基準に反しており、何度も事情を聞いたりする中でも、同判事自身に基準を守ろうという意思が見られなかったために、審理から外す事を決めたという。同判事に対する懲罰は、改めて審理される。
ソウザ判事はバチスタ氏に関する審理を複数担当していたが、今回の判断により、既に始まったものも含め、すべての審理が他の判事にゆだねられる見込みだ。