家なし運動(センテト・MTST)が26日午後、サンパウロ市西部で水不足に抗議する1万人規模のデモを行ったと27日付伯字紙が報じている。
デモ隊は市西部ピニェイロス区のラルゴ・ダ・バタタ広場に集まり、「サンパウロ州政庁に押しかけろ」「州政府は解決策を示せ」と声をあげながら、モルンビ区のサンパウロ州政庁を目指した。
デモは午後9時20分ごろ、MTSTの代表者らが州政府と州軍警の代表者に迎えられた時点で終結した。
このデモには400レアルで借り出された、5千リットルの水を積んだ給水車も出現し、武装したように見せかけたデモ隊が給水車を先導する格好で「水が無ければ街は終わりだ」と叫んで行進し、アルキミンサンパウロ州知事の顔写真をつけた人形と空の浴槽も登場した。
デモにはMTSTの他に、労働者党と繋がりが深い中央労組(CUT)や、自由と社会党、ブラジル共産党といった政党関係者も参加した。
デモ隊はサンパウロ州水道公社(Sabesp)の株主の利益はいくらだったのかと問いかけ、低所得世帯への貯水タンク配布と、低所得者向けの井戸を掘ることを要求した。
またデモ隊はSabespの大企業優遇政策を批判し、水の消費が前年を上回った場合の罰金に反対するアピールも行った。MTSTのコーディネーターの一人は「郊外の家は毎日断水しているのに、庶民より安い料金しか払っていない大企業には毎日水が供給されている」と避難している。