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リオのカーニバルで露呈した道徳なき集金思想

 リオのカーニバルで優勝したベイジャ・フロールが、人権侵害や汚職で国際的に問題視にされているアフリカの独裁国家「赤道ギニア」から1千万レアル(約4億1千万円)の資金提供を受けたとの報道により、国際的に批判が高まっている▼国連の人間開発指数で同国は187カ国中144位。ツツ・アリカンチ氏(同国の人権運動団体代表=本拠は米国)は「人口の大半が一日2ドル以下で生活している貧困国から、そんな大金が。まるで平手打ちを食らったよう」とウルチモ・セグンド電子版26日付けでコメントしている▼興味深いのは最初に報じたのがオ・グローボ紙で、最後まで極力報じなかったのがグローボTV局だった点だ。双方とも同じグループに属すが、報道姿勢は対極にあった▼同紙は1925年創立、首都リオを本拠として保守的な論陣を張り、64年の軍事クーデターを擁護した。そんな新聞を軸にしてグループは多角化を図り、TVグローボは翌65年から放送を始めて軍政に寄り添うように勢力を広げ、当地最大のTV網を築いた▼同TV局は普段は命がけの調査報道を得意とするのに、ことカーニバルに関しては独占放映権を買っている関係からか〃臭いものにフタ〃という姿勢になりがちだ▼同TV局を敵対視するR7局報道によれば、79年から独裁体制を続けるヌゲマ大統領の息子テオドリン副大統領は、サンパウロ市の高級住宅街ジャルジンス区に5千万レの自宅、リオ市イパネマ海岸にも8千万レの家を持つ。「豪華なパレードのためには金の出元を問わない」でいいのか。あまりに商業主義的なあり方に疑問が噴出している。(深)