連邦検察庁のロドリゴ・ジャノー長官は3日夜、連邦最高裁のテオリ・ザヴァスキ判事に、ラヴァ・ジャット作戦で摘発された種々の疑惑に関し、連邦議員など54人に対する容疑28件の捜査開始を求める依頼書を提出した。捜査対象者には、レナン・カリェイロス上院議長、エドゥアルド・クーニャ下院議長(共に民主運動党・PMDB)らが含まれていると言われている。4日付伯字紙が報じている。
アルベルト・ユセフ被告やパウロ・ロベルト・コスタ被告ら、ラヴァ・ジャットの報奨付の供述で名前が挙がった政治家の内、最高裁で審理されるべき連邦議員やその関係者としてリストアップされたのは54人で、将来的にはパラナ州連邦地裁の取り扱いとなる非現職議員らもそのリストに含まれている。
また、28件とは別に、ジャノー長官の命を受けた11人の検察官から「事件性が薄い」と判断された7件の容疑についての捜査取り下げの依頼も行われている。
このリストに載っている政治家名や容疑の内容は、ザヴァスキ判事が捜査開始許可を出した時点で公開が可能となる。
だが、4日付フォーリャ紙によると、既にレナン、クーニャの上下両院議長をはじめ、前官房長官のグレイシ・ホフマン上議(労働者党・PT)や元大統領のフェルナンド・コーロル上議(ブラジル労働党・PTB)、前鉱山動力相のエジソン・ロボン上議(PMDB)などの名前も含まれているという。
エスタード紙によると、上下両院議長は2月27日にテメル副大統領(PMDB)からリスト入りを知らされたという。副大統領はその前日に官邸でジャノー長官と会っているが、この時は連邦検察庁の予算についての会合と説明され、長官自身もラヴァ・ジャットに関する情報は流していないと話していた。
両議長は共に汚職事件への関与を否定しているが、レナン議長は3日午後、このリスト入りへの不満や連邦政府への抗議を、連邦政府が先週発表した、INSS(社会保険院)納付金での企業への恩典を見直し、税率をあげる暫定令(MP)を差し戻す形で表した。PMDB関係者は、連邦政府は同党を弱体化させたくてジャノー長官に圧力をかけたと見ている。
レナン議長は2日のジウマ大統領との会食も拒否しており、3日には、大統領拒否権の内容の見直しと15年の予算案審議のための両院合同の会議を来週に延期させた。経済立て直しのための財政の健全化と早期の予算成立を目指す政府は、3日のうちに暫定令復活のための暫定令を発し、必死の対応を図っている。
タグ:PT 汚職 PMDB 写真ニュース ジウマ大統領 ラヴァ・ジャット