「国際女性デー」の8日夜、テレビとラジオでジウマ大統領の演説が流れ、少なくとも12州都でパネラッソ(鍋叩き)などが行われたと9日付ブラジルメディアが報じた。
国際女性デーにあわせた演説が流れたのは夜8時40分。16分間の演説が始まると、全国各地で車のクラクションを鳴らすブジナッソや鍋を叩くパネラッソが始まり、ジウマ大統領やPT(労働者党)は「出て行け」と怒鳴ったり、電気をつけたり消したりする示威行為も見られた。
パネラッソなどが激しかったのはサンパウロ市やブラジリア、リオだが、同様の行為はポルト・アレグレ、クリチバ、ベロ・オリゾンテ、ヴィトリア、ベレン、ゴイアニア、レシフェ、フォルタレーザ、マセイオーなどでも起きたという。
サンパウロ市での行為はピニェイロス、イジエノポリス、ジャルジンス、モルンビー、モオッカ、サンターナ、タツアペ、ペルディーゼスなどの中流から上流とされる居住地中心に行われ、パライゾではハダジ市長宅前、イタイン・ビビではルーラ前大統領の息子のルイス・クラウジオ氏のアパート前にも群集が集まった。
大統領は同演説で、財政調整の大切さを訴え、ブラジル経済が均衡を取り戻すまでの間、国全体が忍耐を持って困難な時期を乗り越えるよう訴えた。大統領は忍耐が必要なのはすべての階層であると強調。国民と議会の協力を求めたが、今回の示威行為で大統領やPT政権への不満がくすぶっている事があらわになった。
パネラッソなどを呼びかけたのは、ヴェン・プラ・ルア、レヴォルタードス・オン・ライン、モヴィメント・ブラジル・リヴレなど。これらのグループは15日に全国200以上の市で、ジウマ大統領退陣などを求める抗議行動を計画中だ。
13日にはPTに近い中央労組(CUT)や農地占拠運動(MST)、全国学生連合(UNE)も抗議行動を行うが、今回の示威行為はPT支援ではなく、経済スタッフが矢継ぎ早に発表した失業保険の適用を受けられるための就労期間延長など、労働者に不利と見られる案件に対する抗議のためとされている。
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