サンパウロ州ナザレ・パウリスタのアチバイニャ貯水池で9日、女性の死体の入ったトランクが見つかり、容疑者と見られた夫も、その数時間後にスマレーの自宅で遺体となって発見された。
匿名の通報を受けた警察が貯水池の岸辺で女性の遺体入りのトランクを回収したのは9日午後7時頃だ。トランクの横には身分証明書などが入ったカバンもあり、被害者はAzul社のスチュワーデス、ミシェリ・ノゲイラさん(31)である事が判明。遺体頭部には暴行を受けた痕跡があり、頭蓋骨骨折や口元のケガが確認されたが、それ以外の外傷は見つかっていない。
現場周辺の道路の防犯カメラの映像などを分析した警察は同日夜10時半頃、ノゲイラさんの夫のジュリオ・セーザル・アラバルさんの車が制限速度を上回るスピードでカンピーナス方面に向かう映像を確認した。
連絡を受けたスマレー市警備隊は10日未明、アバラルさんとノゲイラさんが住んでいた自宅に急行し、ライトをつけたまま路上停車しているアラバルさんの車を発見、押収した。
自宅に踏み込んだ警備隊は、階段の手すりにかけたベルトで首を吊って死んでいるアバラルさんの遺体も発見。自宅からは血がついたナイフや殆ど空になったウオッカの瓶、空になった麻薬の容器、携帯電話などが押収された。アバラルさんの車からはノゲイラさんのノートブックなども発見された。
ブラガンサ・パウリスタ地区担当のジョゼ・エンリケ・ベントゥーラ警部は10日から関係者への事情聴取を始めた。
ノゲイラさんの兄弟によると、ノゲイラさんとアラバルさんは10年前から一緒に住み始めた。アラバルさんがコカインに手を出したため、昨年は入院治療も行ったが、再び麻薬に手を出したようだ。ノゲイラさんはアラバルさんに「もう一度麻薬に手を出したら別れる」と繰り返し言っており、ノゲイラさんの兄弟は、勤務を終えて帰ってきたノゲイラさんが麻薬を使っているアラバルさんを見て家から出て行くよう命じ、口論となったと見ている。
警察によると、寝室には血で汚れたシーツや枕カバー、服があり、床にも血痕があった。ベッドの上には市販薬の箱も多数あったが、誰が使っていた薬かは定かではない。アラバルさんはノゲイラさんを大切に扱っていたようだが、ノゲイラさんの兄弟は、アラバルさんがノゲイラさんに声を荒げたせいで喧嘩した事があるという。また、事件後に、ノゲイラさんがアラバルさんの件で警察に被害届けを出した事がある事も確認された。
ノゲイラさんは7日に家族とシュラスコをする予定だったが、姿を見せず、家族が連絡を取ろうとしても電話に出なかった。家族は夫婦で旅行しているのかと思っていたが、9日朝電話をかけてみたところ、ワッツアップで「大丈夫」と返事が来ただけで、再び音信不通となったという。
警察では、アラバルさんがノゲイラさんを殺害し、遺体を貯水池に捨てた後に自宅に戻って自殺したと見て捜査を続けている。(10日付G1サイトより)