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交渉後のレヴィ財相(左)とレナン・カリェイロス上院議長(Antonio Cruz/Agência Brasil)
交渉後のレヴィ財相(左)とレナン・カリェイロス上院議長(Antonio Cruz/Agência Brasil)

所得税調整で政府譲歩=議会での拒否権否認回避策

 連邦政府と議会が10日、所得税を、ジウマ大統領が拒否権行使時に主張した4・5%から6・5~4・5%の段階調整とする事で合意したと11日付伯字紙が報じた。
 政府代表として議会に赴いたジョアキン・レヴィ財相が、民主運動党(PMDB)が提出した段階調整案を土台に採択した折衷案は、低所得者には6・5%、高所得者には4・5%と、段階的に調整する案だ。
 具体的には、免税対象は現行の1787・77レ以下から1903・98レ以下に6・5%、課税率7・5%の層も、1787・78~2679・29レアルが1903・99~2826・65レ(控除額142・80レ)に6・5%調整される。
 15%課税される層は5・5%の調整で、2679・30~3572・43レが2826・66~3751・05レ(控除額354・80レ)になる。課税率22・5%の層は5%調整され、3572・44~4463・81レが3751・06~4664・68レ(控除額は636・13レ)に、課税率27・5%の層は4・5%調整され、4463・81レ以上が4664・68レ以上(控除額は869・36レ)となる。
 連邦政府が譲歩したのは、所得税の調整を6・5%とする法案に対して大統領が拒否権を行使して、4・5%の調整とした件を議会が覆す事が必至であったためだ。今年の税収は4・5%調整時の53億レ減より厳しくなり、最低でも60億レ減となる見込みだ。
 新しい課税リストは10日に大統領令として発表され、議会で承認後、4月から発効となる。