今度は「世界の中央銀行」の副総支配人に――。日系人で2人目のブラジル中央銀行理事で、先月から経済政策担当理事に就任したばかりだったルイス・アワヅ・ペレイラ・デ・シウヴァ氏が、10月から国際決済銀行(BIS=本部スイス)の副総支配人(deputy general manager)に抜擢されたと連邦政府サイト「ポルタル・ブラジル」が10日に報じた。
BISは、約60カ国・地域の中央銀行が株主となった銀行組織。世界の通貨価値および金融システムの安定に関する会合の舞台を提供する重要な国際機関だ。
最高意思決定機関は年一回の総会だが、年6回の理事会(19人)には主な中央銀行代表が選ばれ、黒田東彦(はるひこ)日本銀行総裁、ブラジル中央銀行のアレシャンドレ・トンビーニ総裁も選ばれている。
アワヅ氏が今回抜擢されたのは、約600人の職員をつかさどる事務方の方で、総責任者「総支配人」の次のナンバー2だ。10月1日から新任するにあたり、中銀の後任人事は第3四半期に発表される。
アワヅ氏は1956年8月サンパウロ市に生まれ、ソルボンヌ大学で経済学博士号を取得後、世界銀行、ブラジル財務省国際関係局勤務などを経て、2010年4月からブラジル中央銀行の国際関係理事に就任していた。