11日にロンドンのスタンフォード・ブリッジで行われたサッカーの欧州チャンピオンズ・リーグ決勝トーナメント1回戦、チェルシー(イングランド)対PSG(フランス)は、ブラジルのセレソン・ファンにとっては実に印象深い試合となった。
チェルシーとPSGと言えば、現在のセレソン選手が大勢いるチームで、前者にはオスカール、ウィリアン、ラミレス、フィリペ・ルイス、後者には、チアゴ・シウヴァにダヴィド・ルイス、マルキーニョスと世界的なディフェンダーが揃っている。
ブラジルにもファンが多い2チームが16強で早々にぶつかるのは惜しかったが、上位に進出してもおかしくないチーム同士の対戦だけに試合は白熱した。2月17日のパリでの初戦は引き分けだったが、この日も白熱した。
試合は前半、PSGのエース、イブライモビッチが、ゴールに攻め込んできたオスカールにタックルして転倒させたところ、微妙な判定でイブラにレッドカードが出され、PSGは10人での戦いを余儀なくされた。
この日も1―1となったことから、試合は延長戦へ。この延長でチェルシーがリードすれば同チームが勝ち、PSGがゴールを決めてチェルシーにリードを許さなければ敵地でのゴールの多さでPSGが勝つ、という条件だった。
延長前半、チアゴ・シウヴァは自陣のペナルティ・エリア内で痛恨のハンドをおかしてしまい、PKを献上。これが元でチェルシーが2―1で勝ち越した。
しかし、試合終了間際、PSGがコーナー・キックのチャンスをつかむと、最後はチアゴ・シウヴァがヘディングでゴールを決め、PSGが準々決勝に駒を進めた。
試合後のヒーロー・インタビューでチアゴは、「どうしても勝ちたかった。チェルシーのモウリーニョ監督は敬意に欠けていたからね」と語った。
これは昨年12月、トーナメントの抽選会でこの2チームの対戦が決まったとき、チェルシーのディレクターがPSGとの戦いが容易ではないとの思いを押し隠そうとして発した言葉を、モウリーニョ監督が「PSGが相手でよかった。ロンドンからの移動距離が一番短くて済むからね、と言いたかったのさ」と言ってPSGを挑発したためだ。
モウリーニョ監督は、 この日のPSGの1点目をあげたダヴィド・ルイスとのあいだにも因縁があった。それは、もともとはチェルシーの看板ディフェンダーだったルイスがモウリーニョが監督になって以降、不本意にボランチを守らされるなどして起用法に不満を持ち、PSGに移籍することになったためだ。
そのことはサッカー・ファンもよく覚えていた。試合後、ネットではルイスをヒーローとしたコラージュ画像が数々出回った。中でも、注目を集めたのは、昨年W杯で話題になった写真のパロディだ。それはルイスが準々決勝でブラジルに破れて落胆する同大会のヒーロー、ハメス・ロドリゲス(コロンビア)を抱えあげるものだが、その画像にはハメスの代わりにチェルシーのユニフォームを着たモウリーニョが抱えられていた。(11日付UOLサイトなどより)