2月、3月はサンパウロ州でも平年以上のペースで雨が降っているが、12日朝9時のカンタレイラ水系の貯水率は14・0%。未開の水域開放前の水準ならマイナス15・2%で、アウト・チエテも20・4%のみだ。カンタレイラは大サンパウロ市圏への水の最大供給者の座を未開の水域を持たないグアラピランガ水系に譲っており、節水はまだ必要だ。
水不足はサンパウロ州だけの問題ではなく、3月10日現在の全国の主要水力発電所のダムの水位は、発電は行っているが実質水位0%のイーリャ・ソルテイラとトレス・イルモンス(共にサンパウロ州)など、28発電所中17が昨年以下と12日付フォーリャ紙が報じている。現状では火力発電に依存する状況は避けられず、同日付アジェンシア・ブラジルは、連邦政府が節電キャンペーンを始めた事も報じている。
一方、10日付伯字紙によると、大サンパウロ市圏では2月の水の使用量が13年2月~14年1月の使用量の平均を超えた消費者が19%いた。7%は使用量が10立方メートル以下だったため罰金を免れたが、サンパウロ州水道公社は、フェスタや休暇終了前で気が緩んだ、旅行から戻って水の消費が増えた、降雨を見て水危機解消と考えた人がいた等の可能性を懸念している。
カンタレイラ水系の水不足は他水系からの援水や水道減圧、節水などでカバーされているが、14年1月は3万1900リットル/秒だったカンタレイラ水系からの取水量は、2月には1万4千リットル/秒まで低下。現在の供給量1位は1万4500リットル/秒取水中だが未開の水域がないグアラピランガ水系のため、ジュキア川やカピヴァリ川の水を引き込む工事が計画されている。