15日にジウマ大統領に対する全国的なデモが予定されている2日前、ジャイール・ボルソナロ下院議員(進歩党・PP)が下院に対し、ジウマ大統領に対する罷免を提案した。
ボルソナロ氏は自身のフェイスブックに親指を立てて写った写真を掲載し、ジウマ大統領に対する罷免請求を提出したと記した。「(92年に罷免となった)フェルナンド・コーロルを罷免に追いやった事実の数々は、今回ジウマ大統領がペトロロンで抱えていることに比べれば軽く、筋の通っていないものだ」と語っている。
ボルソナロ氏はかねてからジウマ大統領の力量を疑問視しており、ペトロロンに関する態度が甘いことを批判していた。
ボルソナロ氏は犯罪の取り締まりに強硬な態度で知られる反面、女性議員に対する差別発言で問題を起こし、黒人や同性愛者に対しても差別発言を行うなど、保守派としても知られている人物でもある。
また、同氏が所属するPPはペトロロンに関与した最大党として知られ、最高裁も元党員を含む32人の政治家の捜査許可を出している。
こうした罷免を求める動きは、ジウマ大統領の所属する労働者党(PT)をはじめとした左翼政党や労組をはじめとした人たちからは、「1964年の軍事クーデターを彷彿させる」と批判されている。実際に、ごく一部の国民の動きではあるが、ジウマ大統領罷免に軍事クーデターを呼びかける動きもある。ボルソナロ氏が今回の件で軍事クーデターを起こすことを肯定しているか否かの報道はないが、同氏はかつて軍人でもあり、軍政において軍部が行った行為に対しても肯定的な立場を取っている。
ボルソナロ氏がフェイスブックに掲載した写真には、1時間の内に「いいね」が2万2千件以上、シェアも5千件近くあったが、反ジウマ派の急先鋒として見られ、就任早々、連邦政府側を苦しめている下院議長のエドゥアルド・クーニャ議長は、現時点で同大統領の罷免案を受け入れるつもりはないとしている。
(13日付ジョルナル・ド・ブラジリア、オ・ポヴォ・オンラインなどより)