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サンパウロ市中央深夜の盗難劇=60年来の銅像盗まれる

 台座に彫られた「蓄え、種をまき、栄える」の文字が空しく残る―。サンパウロ市中央部4月7日通りの「バンコ・ダス・ナソンイス」ビル正面に置かれていた「種をまく男」の銅像が7日に盗まれたと、12日付伯字各紙・サイトが報じている。
 盗難に最初に気付いたのは、19年同ビルに住む管理人のジョゼ・フィデリスさん(55)で、「朝9時半にパンを買いに出たら、60年以上ここにあった銅像が無かった。大きさからすると60キロはあったはず」と語る。フィデリスさんは警察を呼んで調書を作り、防犯カメラの映像も提供したが、銅像はまだ見つかっていない。
 防犯カメラの映像によると、7日午前2時10分頃、3人の男が台車を持ってビルに近づき、銅像の取り外しにかかった。1分もかけずに銅像を取り外した男達は、台車に載せて立ち去った。
 「調査中だよ。当面は新しい銅像の設置は考えていない」と語るフィデリスさんも、銅像の時価は知らないという。
 同ビルで働く人々は驚きを隠せないでいた。3カ月前からここで働く女性は、「あんなものを盗むなんてちょっと変だけど、盗んだ人たちは売ってしまうつもりでしょうね」と語った。