3月7日サンパウロ州バルゼン・グランデ市の同文協会館で、恒例の「ノイテ・ド・ヤキソバ」(焼きソバの夜)が開催された。このイベントは20年以上前から年に数回行われており、午後7時の開始から、焼きそば約1800食が販売され、体育館ではビンゴ大会なども行われた。
同文協会長の古川シルビオさん(52、三世)によると、「この収益で活動資金を賄うだけでなく、地元ブラジル人も巻き込んで日本文化を広め、日本語学校の宣伝活動にもなっている」と言う。5月と10月にも予定されている。
会長の従姉妹に当たる古川ローザさん(60、二世)が婦人会会長を務めており、「婦人会は朝6時から50人が当番制で準備してきました。調理法に他の所と比べて特別な秘訣があるわけではないけれど、婦人部が愛情込めて作りました」と語る。
続けてローザさんは「このイベントは好評で年に5回もやっていた時もありましたが、今年は3回。このイベントで文協会員の団結も高まる。一般のお客さんにも受け入れられ、今ではお客さんの7割がブラジル人ですよ」と語った。
会場を見渡すと非日系人参加者の多さが目立ち、「家族で毎回楽しみにしている。治安もいいし、ヤキソバも美味しい」と家族でおいしそうに頬張りながら感想を語る人もいた。
イベントではビンゴ大会でも行われ、数字が読み上げられる度に、800人で埋まった体育館のあちこちから歓声が上がった。
【大耳小耳コラム】
バルゼン・グランデ文協の「焼きソバの夜」の圧巻は、実は終わった後にあった。閉会後の片付けにはボランティアの文協会員が総出で参加し、何列にも並べられた長机、長イスを手馴れた手つきでたたんでいく。わずか30分後には体育館はきれいになり、つい先ほどまで千人近くの人が飲食して騒いでいたとは思えないほど整然とした様子に戻っていた。清掃は市役所や業者の仕事と考える一般のイベントとは、あきらかに異なる〃日系文化〃がそこにあった。
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