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パウリスタ大通りに集まった大群衆(Robson Fernandjes/Fotos Públicas)
パウリスタ大通りに集まった大群衆(Robson Fernandjes/Fotos Públicas)

反ジウマ抗議行動=パウリスタ大通りに100万人=コーロル罷免デモの3倍=PT政権やLJへの不満爆発=軍介入支持は少数で非暴力的

 15日、ジウマ大統領に対する全国的な抗議行動が起き、全国の少なくとも160都市で200万人近い人が参加した。中でも、最大規模となったサンパウロ市では軍警発表でパウリスタ地区に100万人、ダッタフォーリャによればパ大通りに21万人 (以下、数字はDF)が繰り出し、ジウマ政権や労働者党(PT)、ラヴァ・ジャットへの怒りや不満を叫んだ。16日付伯字紙が報じている。

 サンパウロ市での抗議行動は正午前、パウリスタ大通りのサンパウロ美術館(MASP)やカステロ・ブランコ道などではじまった。パウリスタ地区の集会が本格化したのは午後2時以降で、同大通りには、抗議行動を呼びかけた「ヴェン・プラ・ルア(通りに出よ)」をはじめとする四つの社会活動団体や政党(連帯)などの街宣車が置かれた。
 午後2時現在の参加者は10万人を超え、午後2時20分頃には「ヴェン・プラ・ルア」が街宣車でラヴァ・ジャットで調査対象となった政治家の名前を読みあげると、汚職蔓延と関係者が罰せられないことへの不満の声が上がった。午後4時現在の推計参加者は18万7600人だった。
 参加者の多くはサッカー代表のユニフォームや国旗を掲げ、愛国心を表した。また、「ブラジルの色は緑と黄色だ。(PT党旗の)赤じゃない」と叫び、反PTの思いをぶつけた参加者もいた。
 参加者の口走る言葉やボードに書かれた言葉で目立ったのは「フォーラ(辞めろ)・ジウマ」「フォーラ・PT」で、同大統領辞任もしくは罷免、PT政権の下野を求めるものだったが、汚職蔓延や経済状況の悪化、財政調整に伴う増税感や燃料値上げなどに対する不満も噴出した。  
 トリアノン公園前には1964年の軍政開始時のように軍の介入を求めるグループもいたが、それらは少数派で、道行く人たちの批判を浴びた。
 集会は家族連れや子供の姿も多く見られる平和的なもので、大きな暴動も見られなかったが、軍警はロケット花火やこぶしにはめる鉄製の凶器を持ったスキンヘッドの集団20人を逮捕した。
 ダッタフォーリャがいう大通りの群衆21万人という数字は、1984年4月16日にセー広場で行われた、国民による大統領直接選挙を求めた「ジレッタス・ジャー」の集会の40万人には及ばぬものの、1992年のパウリスタ大通りでのコーロル大統領罷免を求める集会の7万人、2013年6月のコンフェデ杯時の同通りでの11万人を上回った。また、民衆の叫びの内容も、コンフェデ時よりも方向性が定まったものとなっていた。