15日、全26州と連邦直轄区で起こったジウマ大統領(労働者党・PT)退陣などを求める反政府デモは、175万人(エスタード紙によれば195万人)の人出を記録した。昨年の選挙でジウマ大統領が勝利した北東部でも、今回の参加者は13日の政府寄りデモを上回ったと15日付伯字各紙が報じている。
デモは全州都を含む最低152市(エ紙では185市)で起き、ニューヨークやロンドン、ブエノスアイレスなどでも抗議行動が行われた。大半の参加者は緑と黄色のシャツを纏って「ジウマ出て行け」と叫び、軍の政治介入を求める声も少数ながら挙がった。デモは平和裏に終わり、反体制派と体制派との衝突は起きなかった。
リオ市での抗議行動は正午前にコパカバーナ海岸で起こり、1万5千人余りがアトランチカ大通りを行進した。「PT以外なら誰が大統領でも構わない」と参加者の1人は語った。
首都ブラジリアでは4万人余りが官庁前広場に集まった。終盤に国会に侵入しようとしたデモ隊と警察の間で衝突が起こり、軍警が催涙ガス弾数十発を放った。これにより少なくとも1人が負傷し、3人が逮捕された。公務員のファビアーネ・フレイタスさんは、「大統領は官邸に引き篭り、国民の事を何も分かっていない」と語った。
先の選挙でジウマ大統領が大勝した北東部の各州都でも、サルバドール1万2千人、ナタール2万5千人、レシーフェ5千人など、全体的に少数ながらもデモが起きた。サルバドールでのデモに妻、息子夫婦、孫と一緒に参加した弁護士のカルロス・アウグスト・コスタ氏(62)は、「若い世代にも市民が声を挙げることの大切さを教えるなくては」と語った。
今回のデモでは反大統領派議員も市民からの批難を浴びた。リオ市では大統領罷免請求を出したジャイール・ボルソナロ下議(進歩党)が、デモ隊指導者に招かれたにも関わらず、群衆の野次に遭い、街宣車に上ることができなかった。
昨年の選挙でジウマ大統領と争ったアエシオ・ネーヴェス上議(民主社会党)は、民衆が主役だとして、ビデオメッセージを送るにとどめた。
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