日ブラジル交樹立120周年記念誌を制作するにあたり、日伯友好掛け橋協会(中沢宏一会長)が21日午前9時から、宮城県人会館(Rua Fagundes, 121)で「第1回シンポジウム―19世紀の日本、ブラジルとこれを取り巻く世界」を開催する。日語、入場無料。
1年を通して毎月第三土曜日にシンポを開催し、日本人移民史だけを切り取って議論するのではなく、世界の動きに絡めて捉える試みを行う。各回の内容および、一連の120周年事業が記念誌にまとめられる。発刊予定は来年以降。
今回の内容は「日伯修好通商航海条約」(総領事館)「若宮丸漂流民日本人ブラジル初上陸」(中沢宏一)「産業革命」(川合昭)「帝国主義と列強の植民地」(宮村秀光)「幕末―鎖国から開国へ」(大野正人)「ブラジル国への各国移民」(野口博史)「ブラジル国誕生と中南米の独立」(花田ルイス)。
5月以降は戦後に焦点を当て、更に小テーマに分けて講演と討論が行われる。
中沢会長は「日本人、日系人がブラジルの発展のために活動した姿を残していきたい。参加者が自分のこととして考えていく雰囲気作りを心がけるので、是非足を運んで」と呼びかけた。
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外交樹立120周年を含めた記念誌編纂を進める「日伯掛け橋協会」。昨年から通算すると今回は3回目のシンポジウムとなる。第1回は昨年1月にNEC関係者を集めたもの、第2回は4月に医療関係者によるシンポを開催していた。しばらく休止状態だったが、中沢宏一会長は「今年から本格始動ですよ」と話す。2013年を記念した『戦後移住60周年記念誌編集委員会』から、120周年向けに団体名称変更したのが昨14年だが、編纂作業はこれからのよう。来年中の発刊は果たして叶うのか。いざとなれば、移民110周年(2018年)も待っている。