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カナダ=慰安婦像建立問題は未定=バーナビー市長に聞く=「衝突を引き起こすことは市議会の本意ではない」

 ニッケイ新聞はカナダの邦字紙「バングーバー新報」の許可をえて、この記事を転載する。「北米報知」同様に、お互いの必要に応じて今後、記事を交換していくことになった。(編集部)

2014年4月22日、米ロサンゼルス郊外グレンデールで、従軍慰安婦問題を象徴する少女像に献花するシフ議員(共同)

2014年4月22日、米ロサンゼルス郊外グレンデールで、従軍慰安婦問題を象徴する少女像に献花するシフ議員(共同)

 【バンクーバー新報3月12日付け】ブリティッシュ・コロンビア州バーナビー市デレク・コリガン市長は10日、バンクーバー新報の電話インタビューに応じ、第2次世界大戦中の慰安婦像(平和の少女像)の建立についてまだ議論している段階と語った。
 市長によると、姉妹都市の韓国のファソン市から、同市セントラルパーク内にある朝鮮戦争戦没者記念碑の近くに、慰安婦問題を忘れないため慰安婦像を建立したいとの提案があったという。
 市長は、この提案について検討することを、その時ファソン市側に示唆したと語った。「しかしその時は、この件について、問題があるとは知らなかった」と明かした。これほど、大きな議論が巻き起こるとは思っていなかったという。日系の人から電話がかかってきて初めて、この件が大きな問題を内包していることを知った。「そういう意味では、我々がナイーブだった」。日系コミュニティの人々からのこの件に関する反応にかなり驚いたとも語った。
 市としては、この提案がなされた時、姉妹都市との友好のために受けただけで、議論を巻き起こすためにやったわけではないし、日本や日系カナダ人、日本人を非難しようとしたわけではないと説明した。他の姉妹都市とも同様の関係を築いてきたという。バーナビー市は、釧路市とも姉妹都市である。
 現在はこの問題について、勉強し、さまざまな角度から検討しているという。アメリカに建立された同様の像も、コミュニティに大きな議論を巻き起こしたことも知った。この件が、現在以上の衝突を引き起こすことはないかなど、まだまだ議論する必要があると語った。
 姉妹都市の要請を受けることも、こうして議論をしていくことも、我々のコミュニティの調和のためのもので、さらなる衝突を引き起こすことは市議会の本意ではないと説明した。
 今後は、様々な人々の意見を聞いて、この問題について検討していくとしている。「この提案について決定するのはその後で、いつになるかは分からない」と、この件について未定であることを強調した。
 市長は、公開での意見交換会などは開く予定はないが、関係者による会議を開いたり、広く人々の声を聴きたいと語った。この件について建設的な意見(英語)がある人は、同市のウェブサイトにあるフィードバック・フォームから意見を提出するか、市長の電子メールアドレス、mayor@burnaby.ca(英語)にも直接意見を送ってほしいということだった。
 バーナビー市ウェブサイト www.burnaby.ca/Home.html(フィードバック・フォームは、Contact Usのページに用意されている)(取材 バンクーバー新報 編集部)