18日、シジ・ゴメス教育相(社会秩序共和党・PROS)は、召喚された下院での質疑応答で、民主運動党(PMDB)や同党のエドゥアルド・クーニャ議長などを批判する言動を行い、辞任に追い込まれた。PMDBはこの一件後、同氏を解任しなければ連立与党を離脱すると連邦政府に迫っていた。29日付伯字紙が報じている。
シジ氏召喚は、同氏が3週間前にパラー州べレンで行った講演で、「下院には汚い連中が300~400人いる」と発言したことを問題視してのことだった。
午後3時頃はじまった質疑応答で、シジ氏は個人的な謝罪は行ったものの、パラーでの発言後にクーニャ氏が「シジ氏は躾がなっていない」と批判したことに関し、同議長を指差し、ラヴァ・ジャット作戦の捜査対象になったことを皮肉りながら「汚職で非難された人(クーニャ氏)からしつけがなってないと呼ばれるのは、告発されるよりずっとましだ」と発言した。
議会の緊張はこの発言後にわかに高まり、与野党議員から一斉に批判されたシジ氏は「野党には野党の立場があり、与党には与党でやるべきことがある。それが出来ない党は与党を去るべきだ」とも発言。クーニャ議長就任後、連立与党の議員が連邦政府が提出した法案の数々を拒否し続けている状況を批判した。
その後も、セルジオ・スヴェテル下議(社会民主党・PSD)から「ピエロ」と批判されて口論となったシジ氏は議長にマイクを切られたため、午後5時36分に憤然として議会を後にし、大統領官邸に向かった。
下院でのシジ氏は「大臣職を欲しがって困らせている党がある。その党は大臣の座が五つしかないと言って六つ目を獲得した。今は七つ目、そのうち八つ目や大統領職も欲しがるだろう」と言ってPMDBも批判しており、同党は同氏を解任させないと連立与党から離脱すると大統領府に圧力をかけた。
シジ氏からの辞表を受けたジウマ大統領は直ちに解任を決め、シジ氏退出から約30分後、クーニャ議長が連邦政府がシジ氏を解任したことを発表した。
前セアラー州知事のシジ氏は労働者党(PT)とジウマ大統領の熱心な支持者として知られ、所属していたブラジル社会党(PSB)党首だったエドゥアルド・カンポス氏が大統領選に立候補するために連立与党を離脱しようとしていた際、それに反対して離党したいきさつもあった。
ジウマ大統領も、セアラー州で識字率を向上させたプログラムが気に入り、シジ氏に教育改革を期待していたが、3カ月足らずで解任となった。
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