ジウマ大統領(労働者党・PT)は19日、18日にシジ・ゴメス教育相(社会秩序共和党・PROS)の突然の解任劇があったものの、「これに伴って内閣改造を行うつもりはない」と発言した。これによりジウマ大統領への不満も高まっている。20日付伯字紙が報じている。
ジウマ大統領は19日朝、ゴイアス州で行われるイベントに出発する前に取材陣に対し、シジ教育相の解任は「様々な要因が重なって起きた突発的な出来事であり、それ以外の大臣職を含む内閣改造の意思はない。また、内閣改造によって現状の問題が解決するとは思えない」と発言した。
シジ氏の後任に関しても大統領は「(政党によるのではなく)しかるべき人物を早めに」と語るにとどめ、現在の閣僚を異動させて据えたり、特定の連立与党のために大臣枠を増やす考えがないことを明らかにした。
ジウマ大統領の発言前、ルーラ前大統領はジウマ氏に、現官房長官で元教育相のアロイージオ・メルカダンテ氏(PT)を後任に据え、空いた官房長官に現国防相のジャック・ヴァギネル氏(PT)を就けるよう進言していた。ルーラ氏がメルカダンテ氏の官房長官としての業績に不満を示していることは、先日来報じられている。
また、ルーラ氏は、エドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)らの内乱を考慮し、11日に連邦政府のアルチクラソン(政局調整)のメンバー入りした同党のエリゼウ・パジーリャ民間航空庁長官を、ペペ・ヴァルガス大統領府政局調整長官(PT)の後任に据えることも望んだが、こちらに関しても迅速な動きがない。
PMDBは大臣職増を望んでいるが、ラヴァ・ジャット作戦での捜査を免れたエンリケ・アウヴェス前下院議長の閣僚入りは3月中はないとされ、同党が望んでいる国家統合相{現在は進歩党ジルベルト・オッシ氏)の座も獲得のめどが立っていない。
一方、20日付フォーリャ紙によると、ミシェル・テメル副大統領は、この一カ月ほどの間に野党の中心である民主社会党(PSDB)や民主党(DEM)と面会を重ねていた。PSDBに関してはカルドーゾ元大統領やジョゼ・セーラ上議、アエシオ・ネーヴェス上議といった歴代大統領候補と大物揃いだ。
テメル氏の目的は政治改革や財政調整などで、政府と野党との間の緊張を和らげるためとされているが、PMDBの最近の議会での反乱や連立政府内での意思決定がPT中心であることへの不満が募っていることを見る限り、気になる動きだ。
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